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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第124話【誰も気が付かない、消失という穏やかな処理】

 まあ、僕の将来はともかく、今はこの世界と、あっちの世界の平和のために頑張ろうって思う。もちろん、それは僕の未来がどうでもイイってことじゃ無くて、つまり明日がなきゃ将来も無いってことだから、優先する方は理解しているつもりだ。


 で、その事についてアキシオンさんなんだけど、つまりはさ、さっきの気が付きました?って言葉の意味を問いただしたんだ。


 「気がついたってことは、何かしてたってことでしょ?」


 って聞くと、人化したアキシオンさんは、にっこりと笑ながあら、


 「発声による意志の疎通は難しいものですね、まずは理解させる事を前提に置けない分、語彙が重なって、気を使えば使うほど遠ざかっている気がします」


 とか言い出すんだよ。


 いや、今はそういうのイイから、


 「何をしたのかザックリと話してよ」


 って言ったら、


 「摂理と、それが生み出す境界という現象に自我を持たせて、女子化してた上に、オーナーの擬似奥さんに仕立て上げました」


 「どういう事?」


 もう一回わかりやすく説明を求めると、


 「私と同じですよ、だからそれ以前の例だと、北海道ダンジョンと同じ処置です」


 とキッパリ言い切った。


 いや、何をするんだよ? 自分ができたからって、北海道ダンジョンもそうだからって、そんなにヒョイヒョイと擬人化して良い訳ないだろ?


 って言いたくなったんだけど、でもまあ、摂理って言うこの世界を隔てた境界を人にしたっていんなら、まあ、そうか、ってなるよね。


 だって、人だからさ、自ずと方法とかが見えて来るじゃん。


 つまりさ、扉の鍵を開けるために、扉に話しかける人っていないから、大抵はその扉の向こうで鍵をかけてる人に話すか、そこを管理してる人にお願いすることになるからさ、この場合は、扉そのものに意識を持たせてるわけだから、扉に話すのが正しい方法になるよね。


 僕は、アキシオンさんからの情報を得て、一回咳払いして、自分の仮想奥さんに向き合った。


 何かを言いかけて、言葉を選んでいると、先に葉山が、


 「あの、今、せっかく、向こうの世界がこちらに出てきてるから、みんな助けたいから邪魔しないで欲しいんですけど」


 って、普通に言う。もっと違った言い方もあったかもしれないけど、率直に僕の思う言葉を言ったから、こんな言い方になる。


 すると、僕の仮想奥さんは、


 「できません」


 ってちょっと怒って言った。眉間に皺がよってる。


 あ、コレ最大限に怒ってる奴だ、僕がかなり無茶ぶりしてるってことだ。


 「どうして?」


 って再び葉山が尋ねると、


 「この破綻が、全ての世界の破綻に繋がるからです」


 と言う。


 つまり、あれかな、一つルールを破ってしまうとその綻びから次々とルールが破られるって事を言いたいのかな? わかるっって言えばわかる。でも今はそんなことw言ってられない。


 「そうすでに、世界は混ざり初めてるわ、それはイイの? すでに、あなたの言うルールなんて破綻し始めていると思うけど……」


 おお、さすが葉山だ、諦めずに責め続ける。クラスで決めたルールとか守らせないと、って言わば、世界規模でその決まりを守ろうとする僕の仮想奥さんと、クラスの中の均衡を保とうとしている委員長の、規模は違うけど、そんな委員長対決だよ。


 すると、僕の仮想奥さんは言うんだ。


 「想定の範囲内です、誤差の修正は可能です」


 「誤差の修正って何よ?」


 「互いに干渉してしまった、個の廃棄、もしくは時間変動による後退ですね」


 と言った。


 つまり、今、この世界で起こっている事をなかったことにする、と言うか、その変に携っってる人達を消してしまうと言う事?


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