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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第121話【世界の在りようと、僕たちの疎外感】

 本当に不安気な葉山だ、どんだけ僕の思考を覗くことによって平静を保ってたんだよ、そっちの方がおかしくないかな?


 なんか、いつもより葉山が不安定に見えるのはその為なんだな、って、そんな事を考えてると、蒼さんが、


 「私は、お館様の呼吸や、顔色、発汗、姿勢などで、何を思い、何を考えているのか予想を立てますので、普段ど変わりません」


 って言うんだけど、キッパリサッパリと言うんだけど、それもどうなのかな? 僕としては気をおけない感じに変わりは無いけど、まあ、蒼さんがそれでいいなら別にいいけど、そうなんだね。蒼さんは。


 もちろん、そんな事は今の時点ではどっちでもいい事で、ちょっと僕の心の中に入れないって言う精神衛生上の不安を持つ葉山については不安だけど、うわ、葉山、くっついて来る、いや、変な感じとかじゃなくて、すごくくっついて来る。体の側面を僕の体の側面にピッタリと合わすみたいに、すごいくっついて来る。


 「何してるの?」


 「不安なの!」


 って怒鳴り返されて、なんなんだよもう!って思うものの、なんか僕にくっつく事で、

安心のため息を漏らして、若干の微笑みを見せている葉山の表情に何も言えなくなる僕がいる。


 まあ、いいや、それで葉山の不安が解消されるのなら、このくらいはね、って思ってると、今度は反対側から蒼さんが来る。こっちはピッタっていうかガッツリと抱きしめて来る。すごい力で、がっしりと。いや、ちょっと蒼さん、苦しいって言おうとするけど、口を開いたら、「グエ」って変な排気音が出てしまう。


 「あ!」


 って言って、蒼さん、すぐに緩めてくれる。ありがと蒼さん、これで普通に呼吸できるよ。


 なんとなくだけど、いつも蒼さんが僕と寝てるみたいな格好に近くなるから、ちょっとリラックスできる。


 そんな格好な僕らなんだけど、このままにしていても話が進まないので、僕は真剣に、前にいる人物に問いただすんだ、ちょっと話す前にお茶を一口すすりたかったなあ、って思ったんだけど、葉山と蒼さんに腕もガッツリ掴まれてるからさ、まあいいかって思ったら、僕の腕の力の入れ具合と視線の落とし方で、察した蒼さんが僕の口に湯飲みを運んで、お茶を飲ませてくれる、「ありがとう蒼さん」って言いかける口から湯飲みを離すつまり僕の口にお茶を注いでるタイミングとミスマッチして、少しお茶がこぼれてしまう。


 あ、って思う前に葉山が僕の口の周りをハンカチで拭いてくれた。「ありがとう葉山」って思って、口には出さなかったけど、また、心を読まれてるんだろうなあ、って事がデフォになってる僕は、今は読めてない事に気がついて、再び言おうとするけど、葉山はもう、前をむいて、僕の仮想奥さんと向かい合ってたから今はこっち、とうか先にそっちを優先した。


 じゃあ、真面目な話をしよう。


 「で、ここはどこなんですか?」


 彼女は微笑んで、


 「誰もが思い描く、汎用的想像の結果をこのような形にしてみました」


 と言う。


 つまり……。


 「普通の人が想像できる未来の形って事?」


 そうそう、それね、ああ、やっぱり葉山がいてくれると助かるなあ。イメージはできるんだけどさ、ズバッと形にならないっていうか、うん、そういう事ね。


 「衣食に足り、それなりの立場を得て、平均値よりも高い外見の伴侶を得る、ということか?」


 と蒼さんがいうんだよね。


 ああ、そういう事だ、つまり理想はあるけど、ての届く範囲って事だね。なるほど、もっと具体的になったよ。ありがとう蒼さん。


 だから、この世界の形はわかったけど、理由がわからないからさ、


 僕は何も考えていない頭で、


 「アキシオンさん、出てきてよ、可能でしょ?」


 って言った。心の中で言っても伝わらない可能性があるから、言葉で言ったんだ。


 もちろん、この時は本当に出て来るなんて思わなかった。

 

 それは伝わらないって可能性と、もう一つはこの世界いの構築に関わってる事での若干の気まずさから、アキシオンさんて、そういう風に空気読む人であり剣だから、その辺どうかなあ、っていう不確定要素はあったんだよ。

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