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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第85話【ラストダンジョン入口特定す】

 それにしても、異世界転生エルフさんだけど、一体、どこから現れたんだ?


 って思ってたら、どうやら滝壺さんと雨崎さんの守る7丁目ゲートを避けて、ここの4丁目ゲートから出現したらしい、と言うか遠回りして出て来たらしい。


 「あれは無理だ勝てない」


 と、おそらく二人、滝壺さんと雨崎さんに瞬時に倒された、さっきまでいた最初の転生、じゃなかった転移勇者さんを見て、そう思って、遠回りして、こっちかれ出て来たって言った。


 そっか、入るのは注意してたけど、出て来る方はノーマークだったなあ、と反省しつつ、


 「どこから出て来たの?」


 って尋ねると、転生エルフさんの話によると、中階層付近にどうやれら向こうと繫がってる抜け道があるらしい。


 あ、そうだ、忘れてたラストダンジョンの事、滝壺さんに聞かないで7丁目に帰してしまったよ、って思ってたら、滝壺さんと雨崎さんが再び現れた。


 と言うか、一回、戻って、代わりの人を配置して戻って来てくれたんだ。えらいね。ちゃんとその辺は心得ているよね。


 で、代わりに入ったのは、周辺を警戒する秋の木葉の人たちだったらしいから、蒼さんの指示かもしれない。


 で、滝壺さんだけど、


 「師匠! 中階層です、中階層に最後のダンジョンが出現しました!」


 って興奮気味に言うんだよ。


 「ダンジョンにダンジョンができたってなんかおかしくない?」


 って冷静に言うのは雨崎さん。


 まあ、今はそんなツッコミはいいや、言ってる事は伝わるから、大丈夫だから、


 って、雨崎さん、そんな説明に納得している僕と滝壺さんを見比べて、


 「似た者師弟かあ」


 って呟いてた。


 まあ、そんな話はいいや、ともかく、滝壺さんの様子で、どのくらい凄いかは伝わるから、その上で、冷静な話を聞くよ、


 って言ったら、滝壺さんは場所まで特定してなくて、代わりに雨崎さんの方が、


 「魔王さん、『厭世の奈落』って場所を知ってますか?」


 って言い出す。


 知ってる。知ってるも何も、何かしら縁のある場所だね。色々と、あの別れの名所だっったっけ? 妹に言わせると、確か、壁面も床もグニャグニャしていて、色もなんとも言えない感じで、気持ちの悪いところだね。


 何度か言ってるし、何かしらの事件の度にその場所が関わっていた気がする。


 「そんな場所あったっけ?」


 って葉山が僕の隣で言うんだけど、


 「僕が初めて葉山に襲われて、此花さんのお陰で事無きをえたけど、保健室直行だった事件だよ、あんな酷い戦いだったじゃない、覚えてないの?」


 って普通に言ったら、


 「あれ、茉薙だもん、私じゃ無いもん」


 いや後半は間違いなく葉山だったじゃん。葉山と茉薙なら技能が全く違うじゃん。


 って思いつつ、言い返してやろうかな、って思ってると、


 「女子の記憶の改竄には手をつっこまない、現状が上手くいくなら、そのまま受け入れてください」


 って何故か雨崎さんに注意を受ける。いや、別に今更葉山を責めるつもりはないんだけど、でも、なんかこの辺の真実が曲げてしまうのはちょっと抵抗がある、あの時、僕も此花さんも、土岐にしてもリリスさんにしても命懸けだったしさ。


 って思ったら、


 「誰も不幸になってませんから、特にリリスさんに至ってはあれは運命の出会いの日だったんですから、いいじゃあないですか!」


 ってちょっと強めに言われる。


 うん、まあ、そうかもね、なんで僕、葉山はともかく雨崎さんに攻められているんだろう?


 それに、そう思いたいって言うなら別にいいけどさ、女子にそんな風に強く強く言われてしまうと、もうどうにもできないからさ、そんなのに言い返せるわけもないからさ。


 まあ、それに、その時の話はもう終わった事で、完結してるから、今後僕もその認識で行くよ、OKわかった、そうだね、あれは茉薙だったんだね。葉山じゃなかった。じゃあもうそれで。


 で、その場所だけど、そうか、って思いの方が強くて、特に疑問ももてなかった。


 所謂、スキルが発動しない、してもおかしくなる場所で、ギルドが警戒している場所で、そんな悪条件を踏まえて、かつての八瀬さん、金色宝箱によって、シンメトリーさんを捉えた場所。


 あの場所だけ、壁とか土とか洞窟とか言う、ダンジョンの要素がなくて、まるで何か巨大な動物の内臓の様な、そんな所。


 ダンジョンの中って、ダンジョンなのに、基本どこも安心があるんだよ。


 おかしな話かもしれないけど、本当に変な安心感がある。


 ってか安定を感じるんだ。


 多分、みんなそう感じている。だから僕達は、行ける限りの深部を目指せる。


 でも、あの場所にはその安心感がまるでないんだ。


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