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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第83話【異世界転生さん、ぞくぞく現る】

 とても拍子抜けな話だけど、つまり、あっちの世界はいつの頃からこっち、つまり現実世界であっちの案件で死んでしまった人間を向こうで蘇らせていたという話だった。


 転移勇者さんの様に、あちらで生き返って生活していた人は決して少なくないって話だ。


 そして、こちらの世界の常識というか知識が異世界側にあるのもこれで合点が行く。


 だからこそ考えてみるんだけど、春夏姉が消失し、その後、今もだけどダンジョンだった春夏さんが春夏姉をどうにか復活させようとしてくれてたのもなんとなくだけど納得が行く。


 形の上では相入れない異世界だけど、こっちの世界を含めてそれなりに互いに干渉し合っていたんだなって事実が一つわかった。


 転生、いや転移さんは、『勇者として二つの世界をよろしく頼む』って言って休憩所に向かって行った。


 こっちとしてはもう少し情報が欲しい所だけど、転移さんは彼の知ってることは全部包み隠さす教えてくれているのがわかったので、これ以上空気の読めない発言をされてもこっちが混乱するだけだから、ここはお引き取り願った。


 それにしても、世界を頼むな、って言ってたけど……。


 勇者が魔王に頼むことでも無い様な気がするけど、まあ、いいや。


 って、この現実をなんとか受け入れている最中に、白馬さんから連絡が来た。僕じゃなくてどうしてか葉山のスマホが鳴った。


 僕のスマホもかなり呼び出されてたんだけど、気がつかなかったから葉山に掛けたって、なんで白馬さんが葉山の連絡先知ってるんだよ?って一瞬思ったら、


 「多紫町の時、みんなで交換したし、ギルドの新規入場で書いているからだよ」


 って葉山に言われる。


 「あ、真壁、ごめん、妬いてた?」


 って気がついた様に言って、ちょっと嬉しそう。


 ああ、そっか、僕、ちょっと葉山に関して敏感になってたな、って思って、それでも妬いてたかなあ、って考えて、そして、他の男子が葉山にチョッカイをかけるのって面白くないかもとは思うから妬いてるのかもしれないけど、そうでもないのかもしれない。


 春夏さんの事を好きだって言いながら、僕は葉山もまた独占したいなんて思っているんだろうか? そんなの最低だよなあ。


 って喜んでる葉山を見てそう思う僕だよ。


 まあ、今はいいや。それどころじゃないもんね。


 で、葉山の携帯にかかって来た白馬さんと話す。


 「真壁、転生していたと言う人間が次々に現れ始めてるぞ」


 っていう内容だった。転移さんのいう通りだった。


 「一応は検証してみている、かなり過去から遡っての情報になるが、概ね間違いな様だ、転生、転移はこのダンジョンができる前から行われていたみたいだな」


 と短くわかりやすい情報を僕に教えてくれる白馬さんだ。


 もちろん転移さんのことは疑ってないよ、と言うか信じてる。


 でもまだ続きがあるみたいだから黙って聞いてる。


 「戦う意思はないみたいだ、向こうの情報を持っていてな、あっちは酷い有様らしいが、今は安定している様だ、この機を乗じて、異世界から一気に脱出を図るらしいから協力してくれとも言われてる」


 だから僕も自分の所に現れた転移さんの話をしていたら、


 「そっか、そっちにも現れたんだな、こっちに情報をくれているのは『薬草摘みの栄田』という人物で、すでに向こうの世界で家庭も持っていると言っていた、検証は行っている、彼の証言と一致する『故人』は特定できている」


 という。


 そうなんだ。なんかその二つ名だけで、何をしている人物かわかりやすくていいよね。しかも平和な人そう。


 そして白馬さんは言うんだ。


 「なあ、真壁、これも想定内の出来事か?」


 と尋ねるんだ。


 僕は考える、と言うより考えを広げてみる。ないなあ、ここへ至る結論としての材料な何一つないから、きっとこれは春夏さんも知らなかった事だ。


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