表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
1262/1335

第81話【転生(移)勇者現る】

 どう見てもそれなりの戦闘経験とかある感じの歴戦の勇姿っぽい姿で、いい感じに装備も苔むしてる感じが軽めの装備なのに現実味と言うか重厚感があるよ。


 そんな彼、僕の顔を見てニコニコしてる。


 僕は、


 「この人は?」


 って尋ねると、


 「ああ、俺、向こうに転生してた勇者です」


 って自身で自己紹介してくれた。


 ああ、そうなんだ。へー、転生してた人かあ……。


 「え?」


 って思わず声が出てしまう、一応、納得はできるけど現実のものとしてこうして目の前に立たれて、ええ? ってなる。


 すると、彼は、


 「あれですよ、つまり俺、こっちで死んで、向こうで生き返ったんですよ」


 って、まあ、そうだね、そうなるだろうね、って言う事を教えてくれる。


 そして、


 「そう言う人って結構いるんですよ」


 って言ってから、


 「で、あっちで生き返らせてもらって、特に使命とかもなくて、普通にノンビリと生きて来たんだけど、今はこんな状態で」


 って普通に淡々と説明する転生勇者さんの言葉をただただ唖然と聞いていた。


 「お世話にったから、こっちの見方をしようかな、って思って、聞けばこっちの世界にも魔王がいるって言うから来てみた次第です」


 って言った。


 ああ、そうなんだ。


 って、もう僕として、ただ彼の言う事を否定もせずに聞くしかないんだよね。


 「じゃあ、こっちで死んじゃって、異世界で生き返っ立って事?」


 漠然と聞くだけだった僕の横で、葉山が尋ねる。


 「そうなんですよ、こっちで修学旅行中にヒバゴンに襲われて……」


 へー……、ん? ヒバゴン??


 びっくりする僕の顔を見で、


 「焦って崖から落ちちゃって」


 って、なんでか照れながら言う。


 「ヒバゴン? そこ本当にこっちの世界?」


 ってか修学旅行にヒバゴンって、どんな学校だよ、って話聞いたら、普通に本州の学校だった。しかも聞いたことある有名な学校だったよ。


 で、よくよく考えてみると、こっちにいる伝承伝説の生き物、ってUMAを含めても向こうからの落ちて来た人ってか魔物って可能性もあるから、何もかも全て肯定できてしまう。


 転生勇者さんは襲われたって言ってたけど、よくよく聞いてみると普通に物陰から飛び出して来てびっくりした後、崖から落ちたので、多分そうだったんじゃ無いかっていう内容なので、ヒバゴンが彼を襲ったのかどうかは信憑性は薄いと思われる。


 つまりは不幸な事故の様な気がする。


 結局、このヒバゴンに限らず、こう言った目撃情報は、目撃者はいても接触者として被害にあった人の例ってあまり聞かないから、きっと落ちて来た魔物もびっくりしたんじゃ無いかな、って予想はできる。基本、あっちの人っていい人多いし。


 「じゃあ、生まれ変わったって事?」


 って言ったら、


 「そうですね、このままの姿で、普通にあっちで生きましたから」


 って言うと、


 「じゃあ、転生ではなくて転移の方ね」


 って葉山は納得している。凄いな葉山、こう言う情報も余すことなく優等生なんだな、

僕にはその違いがわからない。


 まあいいや、ともかくつまりは、この人はあっちに行ったこっちの人って認識でいいのかな?


 それでもなんで、雨崎さんと滝壺さんに連行される様について来たんだろう?


 って懐疑的な目を向けると、転生勇者さん、いや葉山に言われると転移勇者さんは、


 「いやあ、ほら、俺、結構、向こうの人達に世話になっていましたから、ここは恩を返しておかないとって思って」


 一緒に魔物な人達と攻めて来たって訳だね。


 「あ、そうか、僕、魔王だもんね」


 って言って、脇に保持していたアキシオンさんを取ると、


 「いや、無理無理、俺、今さっきこっちの子達にも瞬殺されたからね、愛弟子と婚約者さんでいいんでしたっけ、二人とも」


 滝壺さんはともかく、雨崎さんは嘘を言わない様に。


 「ええ、いいじゃ無いですか、まだ100人満席になっている訳じゃ無いでしょ?」


 僕の、また違う意味での懐疑的な視線を感って、雨崎さんは言うんだけど、ダメだよ、もうこれ以上は無いよ、ってそう強く思ったら黙った。シュンとした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ