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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第80話【最終ダンジョン出現】

 世界は未だ落ち続けている。


 言い方を変えるなら、未だ落ちかけて、だから落ちてはいない。


 そこにある世界、空に浮かんでいるのは、全く異なる空間にあるはずの世界。


 それはこちらの条理、常識などが通用しない世界。


 だから、きっとあちらから見るとこちらも同じ事が言えるのだと思う。


 でも矛盾もあった。


 本来、向こうからこっちは一方通行になっているって話。


 来たら戻れないあちらの世界は、どうしてこちらの世界の情報を知り得たのか?


 つまり、わかりやすいところで言えば苗字とかだよ。


 かつて、彼らは、いろんな理由で、こちらの世界にやって来ている。


 おそらくは、伝説伝承、御伽噺に至るまで、全ては現実だったのだろう。きっと、初代微水様の様に、異世界から来た人がこちらに干渉した現実が、そんな風に伝わって行ったのだと思う。


 前にも言われたけど、魔物も魔法も奇跡も全ては現実のことだったって事だ。


 人魚はいたし、鬼もいた、悪魔も、ドラゴンも存在し、何度かこの地に落ちて来ていたんだ。


 そして、それらの事件や事故を処理して来たのも、あちらの人間で、こちらの人間になってしまった人達って事でいいんだな。


 だから、僕なんかもそんな人達の末裔って認識でいいと思う。


 いや、きっと、濃い薄いで言うなら、だいぶ混ざっているのだって、そうも思える。きっと100人200人の単位じゃなくて、もっとすごい数混ざっているのだと思う。


 スキルの発現なんて、その最たるものだと思う。


 多分、真希さんは知っているんだろうなあ、あとティアマトさんとかも。


 もちろん、それを聞こうなんて思わないけど、僕の認識ではそう。


 きっと、春夏さんの記憶もだいぶ混ざってるから、正しいと思う。


 でも、春夏さんの場合、こっちに来てからの方が遥かに長い神様だから、あまり、異世界での時間とかは長くもなく干渉もされずしなかったみたいだから、事実としては、ではなくて、知識としての記憶なので、僕にはあまり深くは伝わってない。


 でも、感覚としてはそんな感じなんだ。


 もちろん、こちらに北海道ダンジョンがあるから、だとも思うけど、それを簡単に受け入れるのだって、こっちにもそれなりに事情を知ってる人間がいたのかもしれない。


 だからだろうか? 


 今も、この時点で、そんなに最悪だとも思えなくて、少なくとも本気で侵略して来ている相手もいるんだけど、どこか呑気な雰囲気もあるんだよね。


 だから、こう言う事って、初めてでは無いのかもしれないなんて勝手に思えてしまう。


 それでも、きっとこれで終わりかなあ。


 ってそんな事を漠然と考えていると、


 「魔王さん!!!」


 って急うに雨崎さんが来た。


 「師匠!!」


 滝壺さんも一緒だ。


 あれ? 君達、7丁目ゲートを死守するって言ってなかったっけ?って顔していると、


 「最後のダンジョンが出現しました!」


 って滝壺さんが言うんだよね。


 最後? ダンジョン?


 どういる事。


 そして、なんだろ? 雨崎さんがジリジリと僕に距離を詰めて来てる。それを阻もうとしている葉山が、雨崎さんと見つめあってる。葉山、僕を子犬として、それを守る親犬の様だよ、今にもグルルって低い唸り声を出しそう。


 「正妻さん、ちょっと抱きつくくらいいいじゃ無いですか!」


 って雨崎さんは不満を言ってるけど、助かったよ葉山。過剰な接触は避けたいところだからね。


 って、その前に、


 「今、最後のダンジョンって言った?」


 って、雨崎さんの言った事を問い返してみると、


 「はい、そうです、終盤ですよ、最後のダンジョンです」


 って言う彼女の後ろには、見た事の無い人がいる。


 そうなんだよね、僕の知ってる雨崎さんと滝壺さんの他に、もう一人、誰か知らない人がついて来てた。


 最初はギルドの人か、それとも秋の木葉の人かなあ、ってそう思ってたんだけど、なんだろう、こっちの、だからつまりダンジョンウォーカーの人とはちょっと雰囲気が違ってるんだ。


 合成樹脂じゃ無い、ガチに金属なハーフプレートの鎧すがたに、ガチに、金属系の剣を下げて、見た目に僕くらいの男の子。


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