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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第58話【実はある勇者の資格】

 アキシオンは、真壁秋の思考パターンから、『いい人』の条件を洗い出し、選定。


 その行動パターンと思考パターンに該当する、ダンジョンに入れる年齢層の子供達を選出、タグを貼り付けまくる。


 そこに勇者のお誘いとして書類を送り、予知夢を見せているのである。


 また、それ以外の自分から発起して勇者になりたいと思うものは、その後、聖剣からの相互作用によって、アキシオンが調整して、特に、ダンジョン入場時からの理由もない対人戦闘の原因を探り、それが、不当と思われる物に関しては徹底的なアキシオンによる調整が行われる。


 不当な戦闘。つまり適応外での武器の取り扱い。


 それは、ギリギリ犯罪にならない程度のいじめやら、ダンジョン内でかつてもおこなわえれたいた不当な戦闘に他ならなかった。


 ダンジョンの理性、つまりはダンジョンの安全福利をになっていたギルドにも穴はある。大きく運営としてモンスター側からの協力も加わり、ダンジョン内はそれなりに裏表無い平和が構築されていて、警察機構などからも地上より安全のお墨付きをいただいている。


 しかし、その様な状態でも付け入る人間はいる。


 それは今までも秘密裏に会社組織が実験を行えていた様に、影になる部分にいるダンジョンウォーカーもまた存在している。


 こんな平和なところで、安心できるダンジョンで、と思うだろうが、ここで悪という言葉を使ってみると、悪は悪の中には存在しない。善の中にこそ悪がある。つまり、こう言った病床の様な暗部は、まさに光しか無いと思われる平和な世界にこそ存在するのである。


 それは決して他人事ではない。


 スキルジャンキーに代表される様に、人は自分が得た過度な力に酔いやすい傾向にある。そんなダンジョンウォーカーが勝手に戦い合うのは特に禁止もされていないが、一方的に、相手の合意無しに挑戦を押し付け戦闘に入るのは、やはりただの暴力だ。


 本来、ダンジョンウォーカーが保持する戦闘力はモンスターに向かうべきであり、そんな暴力を奮う彼らの行いは、ほぼ、ダンジョン内にいるモンスターと変わらない。


 簡単に言うなら、大義名分もない、ただの暴力だ。


 しかしそれらも、聖剣を手にした事によって、徹底的に管理されるようにもなったと言うことである。


 アキシオンは、真壁秋の日常をつぶさに観察研究し、その結果を利用して危険と思われる人物を聖剣を通して選出し、ギルドの報告。


 徹底的にマークして、時にダンジョンから追放、または反省できるものなら、それなりの罰則を与えて、経過観察。


 より一層の平和なダンジョン運営が可能となったわけである。


 もちろん、これは勇者計画の一環ではなくあくまで副産物である。


  特にその危険人物の選出によるとこの基準は真壁秋であり、彼の持つ能力からすると、寄り添う事のない凡庸さを基準にしている。


 真壁秋のいい人という条件を意見としてまとめられうはずもないのであるが、ものの見事にカテゴライズさせて、事実、現在機能させている。


 そんな光景を見て葉山静流は、アキシオンに対して「まるで真壁の秘書みたい」とは言うものの、『ぐぬぬぬ』と、人には見せることはなかったが相当に悔しがっていたらしい。


 ともかく、『誰でもみんな勇者になれる』とはうたっているものの、その実、しっかりとその資質は選定されていて、ここにいる美保やアテナはきちんとその資質を持っていたと言うことである。


 何より北海道ダンジョンウォーカーにその勇者の資質を持つものが多いと言う現実は、そのまま、この北海道で生活する少年少女、もちろん他府県から来ているものもたくさんいるので、つまりこの国の子供たちは良い子ばかり、と言うことである。


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