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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第55話【かつてのアモンの苛立ちと愛情】

 ともかく、通常のカップル、新婚夫婦とは異なる、でもイチャイチャな日々な彼等でもあった。


 それでも、宝からのアモンの認識は『姉』に固定されていた。


 このような、宝からのアモンへの認識は、彼の特殊な家庭環境にもあった。


 これは『家族』と言うものを知らない宝にとっては仕方ないものであり、真希に言わせるなら『母』と認識されなかっただけギリギリセーフと言われて、謎の慰にあっていた。


 ちなみに母は、自分と一体、そして姉や兄、そして父ですら、幼児の認識としては一番初めての他人なのだから、きちんとその辺の認識はされていた事になる。


 アモンは知るはずもなかったが、これは宝にとっての最高に異性への言葉であり、かつての彼の価値観では仕方のなかった事だとも言える。


 強いて言うなら、いつも一緒にいる、ご飯を作ってくれる、勉強を教えてくれる、服(装備品含む)を用意してくれる、お風呂で体を洗ってくれる、毎日一緒に寝てくれる。


 おっぱいに触ってしまっても怒られない、なんとなくくっつきたくなる時がある、等々、こう言う人を自分の立場から算出してみて、考え抜いた結論が、『姉』であった。   


 つまり、異性ところか家族を知らない、その時点では宝にとって異性の最高到達点でもあったのである。


 もちろんアモンは不服だ。


 でも、それでも、宝の気持ちがしっかり育つまで、じっと耐えようとはしていた。


 しかし、それは、成長と共に訪れる事なく、しかもアモンのそんな大きく構えていた気持ちを揺るがす事件も起こり始める。


 宝の為に行かせた学校で、事もあろうか、ラブレターやプレゼントを持ち帰る様になってしまったのである。


 中学生くらいになってから、宝はモテた。


 成績は常にトップクラス、運動神経も他の生徒からも運動部のインターハイ常連のクラブの生徒の中でも群を抜く身体能力に、極め付けはダンジョン内でもそれなりになの知れた存在となっていたのである意味悪目立ちしていた。


 そして、そんな彼を疎んじる生徒やらに目をつけられるも、全て返り討ちにしてしまい、その名はどんどん有名になって行く。


 品行方正ではないものの、アモンの道徳教育によって、弱気を挫いて特に女子には優しくしていた。


 それでも持ち前の性格で誤解を受けやすく、何よりぶっきら棒、愛想もなく、ワイルドな感じも受けが良かった様だ。


 特に同級生女子、またダンジョン内にも追っかけがで初めて来た頃、アモンは悩んで、宝の意識を異性への関心へ持って行かせない様に『罪槍バーゲスト』を与える。


 この槍、異世界でも最高槍とも言われて、元々は、鬼の中でも多腕種と呼ばれる、4本以上腕のあるタイプの人型の鬼が使ってこその槍であり、特にこちらの人間の規格ではなかった。


 宝はいい感じに男の子なので、『伝説伝承系の武器』としても『最高峰級』を与えられて、大喜びで、アモンの狙い通り『罪槍バーゲスト』に夢中になった。


 宝にしてみれば、槍も好みだったし、何よりギミックに夢中になった。


 まるで不良少年がバイクに夢中になる様に、宝は、この世界で最強にして、最高で、扱いづらい、と言うか扱えないこの槍にしばらくダンジョンにこもって夢中になっていった。


 なお、この時の宝のアモンに対しての認識は未だ『姉』であった。


 そして静かにアモンもブチ切れ始める。


 なぜこれだけ尽くしていて、甲斐甲斐しく世話を焼いて、ご飯もバランス良く食べさせて、毎日お風呂に一緒に入っているのに、またダブルのベッドで一緒に寝ている自分を姉と認識するのか?


 どう考えても『嫁』だろう? そうアモンは思い続けていた。


 もちろん、一番重量なファクターがスッポリと抜けているとは気がつて入る。


 でも、まあ、それは追々と言う事で、もっと宝が男としての自覚を持ってから求めてもらえるといいな、くらいに考えていたアモンは、おっぱいくらいは触らせていたが、それ以上は大人になってからと決めていた。


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