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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第51話【順調に落ちてくる異世界?】

 つまりさ、北海道の平和は順調に守られているって訳なんだよ。


 怪我したのって今のところ、D &Dの真々地さんだけ見たいだし、その真々地さんもさっきキリカさんに抱き抱えられる様にダンジョン入って行ったし、真々地さんも意識は回復してて、その真々地さんの顔が、何がどうなってる?って表情はしてたものの元気そうだったし、キリカさんも、「秋魔王殿下! 私はもうあなたの影を追いかけません!」とか言って、嬉しそうな顔してたけど、なんの事? とは思うけど、本人が喜んでいるから、「うん、そうなんだね」と、一応は話は合わせておいた。


 まあ、ともかく順調。


 順調みたい。


 西木田くんと左方さんが、あっちからの世界からの迷子を連れてお母さんを探してしまうくらいは順調な訳だ。早く見つかるといいな、とは思うから、すでに各個に連絡は回しておいたから多分大丈夫だとは思う。


 と言うか適任だよね、彼ら。


 そんな風に思っていると、いきなり僕の横に出現する巨大な魔物。


 僕よりも大きな体、普通に3階建ての建物上からギロリと見つめられている感じでモノアイ。


 サイクロプスって人だね。


 それが、大きなメイスを振り上げて、


 「取った!」


 とか言って襲いかかって来るんだよ。


 おお、直接ここに降りて来たんだ、根性あるなあ、って思ってそのまま流れに身を任せて見ていると、そのサイクロプスさん、


 「我は渡辺を名乗ろうとするも、惜しくも破れ、仕方なく山本を得るが、それも破れ、仕方なく吉田を名乗る者!」


 って言ってる。仕方なくって……、全国の吉田さんに謝れ。


 そして、


 「北海道魔王よ! いざ尋常に勝負!」


 って言って来てる。いやいや、完全に虚を突いての奇襲じゃん。って思ってるけど、まあこの程度ならって、僕は吉田さんに対して、対応する事なくなんとなく見ていた。


 手を出すまでも無いって思ったからだ。


 ほら、来た。


 その重い吉田さんからの一撃は、常識を凌駕する速さの一撃に、いや二撃によって弾き返される。


 「お館様、お怪我は?」


 とかいつの間にか僕の前に立つ、蒼さんが言う。


 「大丈夫、蒼さんのお陰で無事だよ」


 と言うとその装束に隠された顔が、一瞬、お日様みたいに微笑むのがわかるんだよね。


 「ここは蒼にお任せください」


 って言われるから、「うん」って答えると、吉田さんと蒼さんの戦いが始まって、瞬く間に、吉田さんは倒される。


 ドーンって感じで倒れて、そのまま大型の搬送車に乗せられて、休憩所に連れられて行く。


 そして、蒼さんは、


 「では失礼いたします」


 って言って、再び消えようとするから、


 「いいよ、蒼さん、また来るから、ここにいてよ」


 って言ったら、


 「え? はい、そうですね、うん、御意に」


 って割と取り乱しながらそんな風に言ってた。


 だって、ずっと隠れて、僕の窮地に駆けつけるつもりでいるみたいだから、ここにこうして一緒にいても一緒だよね、って思ったから。


 その蒼さんに、葉山が、


 「ちょっと空気悪くなって来てるから、蒼ちゃんもこれつけよ」


 とマスクをさせる。


 で、こうして3人、マスクをして空に出現して、出るに出られないと行った感じの異世界を見上げていた。


 だいぶ空が濁ってるなあ、って感じ。


 みんなに健康被害とか無いといいけど、ってちょっと心配になったから、白馬さんを通して、マスク着用を徹底しておいた。


 そんな中、真希さんが、テレビ塔の方からケンタウロスに乗ってやって来た。正確に言うなら、ケンタウロスに乗った麻生さんの前に、お姫様みたいに横座りして、こっち見て、


 「アッキー、おおーい!」


 って手を振って、そのまま僕らの前を通りすぎてて、札幌駅方向へ消えて行く。

 道路の路面を歩くケンタウロスの歩みとその足音が、道産子号見たいで、思うがままに進んでくれるみたい、仲良しさんになってる。もっとも真希さんに敵う人も魔物もそうはいないから、相手のこんな対応にもに苦笑いしか出てこないよ。


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