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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第39話【大通公園自衛隊基地動きあり】

 白馬勝已は、指揮車内のモニターで、藻岩山の山頂展望台に魔物達が大挙して押し寄せている光景を見つめていた。


 ここは、手稲山山頂付近、自衛隊異世界対策作戦本部である。


 ここから、各地域に派遣された自衛官に指示を出している。


 自衛隊とギルと、そして、真壁秋魔王軍との連携が完全に図られている。そのために、一時期、白馬は真壁秋の元にいたのである。


 尚、異世界に関する作戦中は、白馬は特務1佐に階級が跳ね上がる。そして階級は1佐であるものの、命令系統上では、将よりも上の権限を持っている。


 その白馬に、部下の一人は、


 「藻岩山展望台偽式司令部、陥落しました」


 続けて、


 「ハマナスとキタキツネは脱出に成功しています、キタキツネ、怪我は負っていますが治療済みです命に別状はない様です、現在、札幌市中央区石山通上空を飛行中です、このままギルド本部に向かう様です」


 そして、白馬のすぐ横には三爪葵がいて、


 「救援を向かわせますか? 丘珠かららヘリで彼らをサポートできそうですが?」


 ちなみに三爪もまた、特務2佐の地位が与えられていて、事実上の副官である。


 「必要か?」


 白馬の質問に対して、モニタに映し出されているキリカの表情のUPを見て、三爪は、


 「いえ、必要ない様ですね」


 と言う。


 「航空戦力既に、ハマナスが殲滅済みの様です、ギルド本部までの経路、クリアーです」


 レーダーの反応を見て確認してから、オペレーターの一人が報告する。


「なら、良いだろう、作戦を次の段階に進める」


 白馬は告げる。そして白馬の思惑とは違って、三爪の方は、まあ、これ以上彼らに介入すると言うのも野暮な気するし、それにしても感心するのは、ほんの数秒で人って恋に落ちてしまうものなのだと、キリカの真々地のへの行動を見ていて、そう驚かされた。


 少なくとも、キリカに関して言うなら、あの時、あの瞬間まで真々地に興味などなかったはずなのだ。


 でも、なんだろう、今、気を失ってる真々地を甲斐甲斐しく運んでいる姿に、驚き感心してしまう三爪であった。


 あるんだなあ、事故みたいな旦那確保って。


 以前から、多紫町レクチャーなどで、『曲がり角付近で意中の男性との衝突を演じる』と言うのに近い感じなのかもしれないと、わからないなりにも、なんとか自分の知っている知識で結論づけようとするも、なかなか整合性は取れずにいる三爪である。


 まあ、その辺は茶飲み話よろしく後で直接本人に尋ねてみようと思う。


 以前から特に魔王城の設立のあたりから、キリカとはなんとなく仲良しの三爪でもある。なんだろう、他人と言う感じがしない。と言うかその根本が、多紫町の女のそれに近いとも感じている。


 それを言うなら、特に三柱神のアモンなどもそうだ。


 どうも彼女達からは地元である多紫の女性先輩方々同様に何らかのシンパシーを感じてやまない三爪である。


 でも、まあ、真々地を運ぶキリカを見て同じ女として、思うのは、「上手くやったなあ、キリカちゃん」と言う言葉だけで、実際のところ、真々地はダンジョンウォーカー女子の中では隠れて人気は高かったらしい。


 何より正々堂々とあの真壁秋に対して挑戦してゆく姿勢は、かなりポイントが高く、普通なら、挑戦どころか目を合わそうとはしないのが常になっていたから、それなりの勇気は示しているのである。


 なお、真壁秋に対する姿勢に勝ち負けは関係ない。挑戦そのものがステータスになってしまってるのがダンジョンの昨今である。 


 それに、彼氏持ちと知りながら、一途に一心を想っていて、完全に一心が辰野とくっつくと、それに対して、彼らを祝福して、その後、真壁秋に対して八つ当たりはするものの、わかりやすく酷く落ち込む弱った姿も好印象だったらしい。一部には迷惑をかけていた真々地ではあるが、それなりに有名人で人気はあるのだ。


 もちろん認知度としては本人がサムライと名乗れる実力からしても察してありあまると言える。


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