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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第28話【異世界から見たこの世界の闘う技術】

 もう異世界には残されていない技術が、こうしてこちらの世界には既に生きている事が目の当たりにできて、涙が出るほど嬉しい高橋である。


 しかし、少し大きさがたりないかな、とは思うがそこは愛嬌だろう。


 それに、扱う様もなかなかどうして様になっている。


 高橋の潤む、その目に、ワラワラと集まって来る新世界の勇者に混ざって、明らかにこちらの世界、つまり異世界側の者がいる。


 いや、正確にはこちらの世界で生まれた自分の世界側の子供達だ。


 自身の足元に集まるその顔は、一寸の陰りもなく、今のこの世界での扱いを示す異世界人としての表情は明るい。


 それは、こちらの世界の子供達と同じ姿をしていながら、意識もせず隠された異形を解き放っている。


 こちらの人に混ざり、隠す事もせずと言うのには驚いてしまう。もっとも、過去、ここにいる異造子その団体に混ざるこちらの世界の子供達が北海道ダンジョンの中で死闘を繰り広げていたことまでは知らない高橋であった。


 そして子供達は、全員がそれぞれの武器を構え、この巨大な魔物と対峙する。


 つまり、この高橋に対しての戦いを意識したものであり、決して混ざる異造子達が異世界の仲間という意識はない現れである。


 その彼は叫ぶ、


 「咲ちゃん、下がって、こいつは相当に強力な魔物だ、この戦力では太刀打ちできない! 僕がなんとか引きつけるから、その間にギルドへ連絡して応援を!」


 と叫んでいる。


 「ダメです、柊君、一緒に戦うのです」


 「無理だから、この魔神は相当に強いよ、ダンジョンにいた魔物なんて、僕らなんて問題にならないくらいに強い、いいから、ここは僕に任せて行くんだ!」


 すると、もう一人、どうやらこれも、こちらで生まれた魔物らしい、新世界の少女の姿をした者が、


 「大丈夫、私もいるから、だから、咲と小雪は先に応援を呼んで来て、大丈夫、死んだりしないから!」


 「榴ちゃん……、それ完全な死亡フラグだから、言っちゃダメな奴だから」


 かつて、異造子騒ぎとして戦っていた者達が今はこうして、異世界からこの世界、北海道を守為に共闘していた。


 「それに、梓ちゃん達って、地上で死んだら蘇れないんでしょ? そんなの絶対にダメだから!」


 そう言う咲、小雪は彼らを庇う様に高橋の前に立つ柊木達の前に出て、高橋を睨みつけた。


 かつて、真壁秋を兄の敵と言い続けていた少女、佐久間 咲は今も変わらず、真壁秋を兄の敵と言い続けている。ちなみに、その兄は今は真壁秋ファンクラブの積極的なメンバーの一人になっている。


 そして、咲の親友の小雪もまた、兄の敵討ちなどと言うバカらしい行動を止めるために、先に真壁秋を倒してしまおうと、決して親友の手を血で汚さないために、自分こそが彼女のために真壁秋を倒そうと言う意識は強いが、未だ実行はされていない。


 そんな武器を持たない二人の小さい少女。


 それが、こちらを倒すと言って来ている。


 魔神の持つその目で、彼女達をみると、そこにはありえないほどの戦闘力が見えたとその小さな体に詰め込まれた技の数々、そして、それが完全に組み込まれた体。


 驚くべきことに、これらの技は、こちらの世界で研鑽された技術だと、高橋は知っている。


 かつて、伝説伝承の武闘家の存在。


 その力は、いわゆる魔法や奇跡を振るわずとも、巨大な暴力を振るう事を可能としていたと伝え聞く。


『姫 際可』『ガッツ石松』『李 書文』『マッハ文朱』『千代の富士』 『呉 鐘』『アントニオ猪木』『ジャイアント馬場』等、他にも、その強力な戦闘力を持つ者の存在は、異世界にも轟、また、これらの技術は異世界側からも、定着こそしなかったが研究はされていた。


 そんな技の奇跡が詰まった少女達が、こちら側の世界の存在と共闘している。


 これははもう、一つの結果として、その行末を、自分達の未来を見せていると、そう高橋は判断した。いやその未来を確信した。


 だから、もう、何も迷う事はない。


 多分、多くの者はこの地に受け入れられる。


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