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第8話【いざ、ダンジョンゲートへ!】

 今日くらいの日なら新学期が始まる時期でもあるから、レクチャー希望な新人ダンジョンウォーカーな人も多いんじゃないかな? って思うからさ。


 今、僕らが向かって大通公園4丁目ゲート。


 近いんだ。


 公園に入るとすぐに見えてくる。


 大きな、それでも地上3階だて程度の鉄筋コンクリートの建物は、まるで大きく口を開いて、絶えまなく次々とダンジョンへ人を飲み込んでいるように見える。しうかも受け付けはほとんどみんなスマホとかアプリの非接触方式だから効率もいいしね、だから余計に大食漢が凄い勢いで飲み込んでいるような、そんな風に見えてしまう。


 きっと一番利用者数の多いゲートでもある。


 とか言ってると、いつの間にか隣にいた春夏さんがいない。


 あれ? はぐれた??


 って思ってると、僕の手をつかむちょっと冷たい手。


 ガッとつかまれて、グッと引き寄せられる。


 「秋くん、迷子になっちゃう」


 って心配そうに言うのは、僕の手をつかんでいる春夏さんだった。


 よかった、近くにいたよ。でもって、やっぱり美人だよなあ、ってその心配そうに僕を見てくる怪訝な表情も綺麗だって改めて思った。


 再び合流したところで、僕らは人の流れに乗りつつそのままゆっくりと4丁目ゲートに進んでいた。


 本当に大きいな4丁目ゲート。


 遊歩道を除いたこの公園の全幅くらいの幅があるから、そのままゆるやかな階段だから、巨人の入り口とか、巨大ドラゴンの玄関なんていわれているのもしっくり来るね。


 その他にも、大通公園には、7丁目ゲート、10丁目ゲート、通称石山通りゲートがあるんだ。


 特に人気があるのが、今回の僕らの目的地である4丁目ゲートと7丁目ゲート。


 4丁目ゲートは、初心者から熟練者まで利用する、全ダンジョンウォーカー対象ゲートとして有名。


 なんて言っても、地下1階に『ギルド』があるしね。


 それに、『スライムの森』があるから、観光客や修学旅行の学生に人気もあるよ。


 僕のように、今日が初めてのダンジョンウォーカーも、北海道に遊びに来た観光客の方々も、一見さんで、サクッと、簡単に安全にモンスター退治とかが体験できるようになってるんだ。


 もちろん、誰でも簡単に倒せるし、モンスターから攻撃される事もないから、怪我の心配もない。完全安全で、その扱いは遊園地のアミューズメントとしての登録も受けていて、楽しさランキングも常に上位だ。


 まあ、現実にモンスター退治もできるしね。


 本物のモンスターと触れ合えるなんてアミューズメントもそうそう無いからね、そりゃあ人気も出るよね。


 モンスターを倒した数によってはガチに北海道庁からも感謝状とかも送られるから、シーズンともなると、入場者制限とかかけるくらいの大盛り上がりになる。


 そして、この4丁目ゲートの先にも大通公園が続く先に隣の7丁目ゲート、10丁目ゲートが続いて行く。


 この7丁目や10丁目は、中級者以上のゲートで、特に7丁目は、中階層や深階層まで一気に行ける昇降機、エレベーターがあるから、わざわざ徒歩で浅階層を歩くことはないって言う、ベテランダンジョンウォーカーの為の門でもある。


 10丁目ゲートも同じで、降りる位置によって、7丁目、10丁目を使い分けてる。


 だから、ここ駅前通りと大通が交差するこの場所は特に交通量が多いのかもしれない。


 まさに、ダンジョンウォーカーのスクランブル交差点だよ。実際にスクランブル交差点は、僕らが下りた4丁目駅とススキノにあるけどね。


 いろんな人が交錯する。


 みんな様々な思いをもって、色んな理由でダンジョンに入ってるんだろうなあ、なんて、春夏さんにしっかりと手を握られている僕は、その時、僕に向かってるなんて気が付かない、そんな怒号を耳にしたんだ。


 それは、


 ええ?


 最初はなんだって思った。


 この人波が生み出す喧騒を切り裂くみたいな怒鳴り声。


 「貴様!! 春夏から手を放せ!!!」


 いや、つかまれてるのは僕の方なんだけど……?


 行く手に、僕たちを待ち構えるように、そこに聳え立つ長身なイケメン。その目はまっすぐに、あきらかな敵意を載せて僕をにらみつけている。


 たぶん初対面。


 僕の手を握る春夏さんの手が、ギュッと閉まる。


 天候は晴れだったけど、嵐の予感がしたよ。


 そして、つかまれてる手が痛いよ春夏さん。


 

 


 

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