表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
1197/1335

第17話【土岐、リリスさんを引き連れて登場】

 苗字って、そんなんじゃ無いから、多い少ないは関係無いから、って言いたいけど、言ったところで意味もなさそうなので、黙って、その田中さんを見つめていると、


 「真壁!」


 って急に後ろから声がかかった。


 振り向くと、そこに土岐がいて、だからリリスさんもいる。


 確か、土岐は今の段階では、ギルドに詰めていた筈。一応、遊撃部隊として動いてもらうつもりでいたから、土岐は器用だから、どんな所でもそれなりに戦える奴だから、その都度、戦力が薄い所を動いてもらおうって思ってたんだ。


 の筈の土岐、普通に出て来て、しかも、いつもの鎧って感じじゃなくて、どこかこぢんまりとした、フォーマルな感じ? 儀仗用ってのか? そんな感じで、ついでに髪型とかも小綺麗にしてる感じが好印象だった。


 その土岐が、僕に、いやこの大通公園に響く様に言うんだ。


 「ここは俺に任せてくれ!」


 そして、その瞬間だった。


 今までの、ここに田中さんが現れた時とは比べ物にならない程の、まるで山か大陸かの様な大きなプレッシャーが、田中さんから吹き出して来る。かつて無いほどの大きな、そんな衝動。


 普通の人なら対峙するのも難しいだろう。


 そのくらいの大きな迫力だ。


 で、ここまで来て気がつく。


 あれ?


 おかしいな、遭遇感が皆無だ。


 うん、凄い、迫力。


 でも、敵対心とかないってか、敵意や害意ならさっきの君島さんの方があった。だから紙ゴーレムよりも無い、って皆無。


 これはどう言うことなんだろ?


 と混乱する僕の横をすり抜ける様に、土岐とリリスさんは前に出て、その巨悪魔である田中さんの前に立つ。


 驚いたのは、田中さんの簡単に間合いに、その攻撃範囲に入って行ってしまった事。


 いや、まあ、相手は悪魔なんだからさ、魔法とか、色々あるだろうけど、それでも直接、その巨大な体により攻撃が来るところには、流石に警戒じゃない。


 でも、土岐の奴、そんなの全く考えて無いみたいで、リリスさんと共に、

ちょうど僕とその田中さんの中間くらいで止まって、その田中さんを二人して見上げる。


 リリスさんが一緒とはいえ、度胸あるなあ、って思ってたんだけど今更気がつくけど、土岐の奴、凄い緊張してる。


 こんな緊張してる土岐は初めて見たな。


 流石の僕もここは助けようかな、って思うんだけど、葉山の奴が、「待って」って言うんだよ。


 僕はびっくりして、葉山を振り返ってみるんだけど、


 「口を出してはダメよ、ここは見守って」


 って何かに気がついた様に言うんだよね、もうその顔は『ああ』って何かを納得してたみたいに、合点がいった様に、若干期待に胸膨らませてる感じで、どこか高揚してる感じの葉山がそう言うんだ。


 いや手は出そうと思ったけど、この時点で口は普通出さないよ。


 そんな事を言い返そうとしていたら、ついに土岐が動いた。


 構え? つまり攻撃への構えなのかな?


 いや、でも、僕、こんな構え知らないなあ、って、もちろん僕は僕以外の戦闘スタイルなんて詳しくも無くて、こんな形もあるのかもしれないって思って、それでも、その姿勢から、あれだけ体格差のある相手に攻撃なんてできるのだろうか? って懐疑的に見てしまうんだけど、そんな形を、姿勢を土岐はとったんだ。


 後ろの葉山はなんか息を飲んでるし、手を口に当ててるし。目がキラキラしてるし。


 流派とか、スタイルとか、そんなの知らない僕にもわかるよ。


 土岐は、その田中さんに向かって、綺麗に正座したんだ。


 以前、リリスさんに向かって、正座からの流れる様な土下座を見ているかなのか、土岐の正座って綺麗だよなあ、って、今感心する事でも無いけど、そんな事を考えてしまう。


 その土岐に準じるリリスさんも寄り添う様に正座していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ