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第115話【この忍者さん聞いてもないのに喋る喋る】

 本当に頭のいい人って、上手に言葉を選んで、自分の聞きたい方向に会話に内容を誘導するよね。なんか僕には無理だよ。


 角田さんの、ボカした言葉に対してこの忍者さん。


 「ふ、ふふ……」


 って笑ってから、


 「我ら戦闘集団、『黒の猟団』は、どの様な状況であったも、戦いを求める、つまり、ギルドの命令など聞かない」


 まるで、角田さんが、ギルドの人かどうかなんてどうでもいいみたいに言うんだよ。


 うわ、強気だ、ギルドを敵に回しても構わない的な発言に、流石に驚く僕だった。


 で、僕は、この忍者さんの組織について、ギルドを敵に回せるくらいの団体なのかあ、って思いつつ、あ、思い出した。現れた忍者さんだけど、今、『黒の猟団』って言ったよね、それってダンジョンでも一二を争うやばい組織じゃん。


 ヤバイって、『ヒャッハー』な意味ね。


 ちょっとその事については驚いてる僕がいる。


 だって、この人たち、有名だもの、ギルドとか、D &Dと並んで、だから黒の猟団って言ったら、深階層でも有名な『武闘派』集団じゃなかったっけ?


 敵とも戦うし、仲間どうしても戦う、ヤバイ人達なガチ勢。


 同じ様な組織で、戦闘集団って感じの『怒羅欣(ドラゴン)』って格闘家集団あるけど、武器をもたずに素手でモンスターに挑む、『俺より強い奴に逢いに行きます』的な訳の分からなさ具合では、このダンジョンで一番、頭のイカた集団として有名だけど、今のこの忍者さんみたいに、一般なダンジョンウォーカーに絡んで来る事はない。


 『怒羅欣』って、あくまで自己の研鑽な集団で、よくダンジョンを大切にしていて、ダンジョンのゴミ拾いとかもしてる優良団体で、一度でも『仲間認定』されると大変だけど、それ以外にはいい集団なんだよ。


 でも黒の猟団は違う。平気で、普通のダンジョンウォーカーを襲う、あんまりいい意味で有名な集団じゃないってことは知ってる。


 こちらの都合なんて考えなくて、ただ一方的に襲いかかって来るらしいんだ。


 それは度々、ダンジョン内では問題になっていた、ギルドも手を焼いていたって話。


 今は、普通にギルドとも和解したって聞いてたんだけどな。


 それに、よほどの一方的な力差でもない限り、ギルドはダンジョンウォーカー同士の戦いは禁じてはいないしね。流石に浅階層では初心者ダンジョンウォーカー保護に目を光らせてるけど、中階層以降は勝手にやらせてる感じなんだ。


 戦うも戦わないも、全部、そう言うのって、個人の責任だから、でも死んだり、行方不明になると、ギルドはちゃんと探して、復活させてくれるから、まあ、安心して、殺されるって言うのも言い方に語弊はあるけどね。


 でも北海道ダンジョンってそんな所だからね。


 その中にあっても、特別、黒の猟団といえば、所謂、暴力的集団で、荒くれ者の巣窟なんて言われてる。


 そんな危ない人達もいるのかあ、くらいは、概ねのダンジョンウォーカーの中では有名な話だよ。


 ほら、学校でも粗暴でヤバイ人達って、それなりに有名になるから、それと同じみたいな感じかな? 近づかないようにしよう、的な?


 でも、深階層くらいに行かないと接点もない筈だから、今はそんな人たちの事なんて考えもしてなかったよ。


 何でこんなに浅い階に?


 じゃあ、ラミアさんを討伐しようとしてたって事?


 一瞬だけど、僕はラミアさんを見て、


  このラミアさん、良いラミアさんなのになあ、なんて思ってしまう。


 だから守るよ、絶対に護る。


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