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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第6話【定山渓方面 防衛担当 怒羅欣】

 思った通り、割と広範囲に魔物達はばらまかれた。


 きっとこっちの戦力を分散するつもりだろう、そんなのは最初からわかっている。


 かなり遠く、山の向こうまで降り立つ姿があるから、南区の定山渓の方まで魔物は行ってると思う。


 そんな状況を鑑みて、


 「歯応えのある魔物だったらいいね」


 って呟いたら、


 「あっちって、怒羅欣の北藤さんに任せた方ね」


 って葉山が言うから、頷く僕なんだけど、多分距離的に戦力が薄いって思ってあっちに降りた異世界の住人の皆さんには同情を禁じ得ない。


 びっくりするだろうなあ、異世界の人達、しかも真剣にこの北海道を攻略しようとしている軍勢ってか、真面目な人達。待ち構えてるのはあの怒羅欣だもの。


 本当にまともじゃないからなあ。


 最近は、彼ら素肌を晒す事が仲間内で流行っているらしくて、ティアマトさんに、ガチのブレス吐いてもらって、それをどれだけ耐えられるか、なんて、熱め風呂に競って入るような真似してる。


 ティアマトさんの炎のブレスを、お風呂の温度に例えるのもなんだけど、最初は戸惑ってたティアマトさんだったけど、北藤さんをはじめとする怒羅欣の人達、「もっと熱く激しいのが欲しいです」って言う要求を上げつづけて、ついには本気も本気のガチブレスを素肌で体験するって言う危険な遊びに挑戦し始めたんだよね。


 ちなみに北海道の銭湯って割とお湯の温度は高めに設定されてる。あ、これ外気温の関係とかあって、湯冷めしないようにしてるらしい。はっきりとした事は知らないけど、ともかく、割とどこ行っても熱めだよ。


 それはともかく、怒羅欣の人達、そんな感じで、ブレスの炎に焼かれて、表面をコンガリしたところで、いつも深階層の温泉に入って、帰って行くんだ。


 その時、何度か合ってるけど、北藤さんが言うには、「いやあ、秋殿、素肌に攻撃を受けるのは気持ちいいですな」って言って笑ってたよ。


 だから、と言うわけでもないけど、最近の怒羅欣の人達の流行は、服を着ない。


 一応、パンツは履いてるけど、それ外はあのティアマトさんのブレスも相まって、人間とは程遠い褐色色の筋肉を剥き出しにして、ウロウロしてるから、たまに知らない人はダンジョンモンスターって思って斬りかかってしまう例もあったらしくて、結構な被害者が出たって話だよ、もちろん斬りかかって行った人の方ね、被害に遭うのは。


 だからギルドとしても余計なトラブルを避けようって事で、着用の義務とか言い出したんだけど、聞くような怒羅欣な人達じゃなくて、本当に最近彼ら、「道着なんてなんで着てたんだろう?」って言う発想の退化が激しくて、服すら着なくなったら、もう怒羅欣の人って、ほぼほぼ毛の生えたないローランドゴリラか、人の顔したミノタウルスだからね。


 本当に、目に余る状態で、一時期、真希さんは僕を中心にして討伐隊を組織しようとしていたくらいだったらしいんだ。


 もちろん、無い。それは無かった。


 僕もそんな話があったことを聞いてゾッとしてたよ。


 つまりは怒羅欣も怒羅欣並みに退化じゃなかった、進歩はしていて、なるべく他の人との共闘はさせたくなかったので、あの辺にいてもらってる。


 中山峠ドライブインのあたりで待機して貰ってる。


 こちらの情報からだと、結構あの辺手強い魔物が配置される予定らしいから、北藤さんを含む怒羅欣の人達が満足してくれるといいんだけどね。


 って言ってる側から、ここからでもわかるくらいの大きさの魔物とか、定山渓方面に向かって行った。


 一応多面な作戦をとってるみたいで、野山の何箇所かを処点にしてから、こっちに攻めて来るようなインテリジェンスの高い作戦もとってたみたいなんだ。


 だから、割と戦闘力が高い少数精鋭みたいな形で定山渓に降り立ってる筈って言われてたけど、本当にその通りになったね。


 そんな光景を見ている僕に、


 「兄は大丈夫でしょうか?」


 って聞いて来るのは、今は完全にギルドの人になってしまった北藤さんの妹さん。


 金髪、青い目のイネスさんだった。


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