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第107話【僕、弟子を取ったみたい…】


 今度は3連撃来た。


 そう、連撃だ、同じ箇所への複数攻撃。


 光加速を解いて、僕の背中の方に出る滝壺さんは、


 「凄い、今のとっておきですよ」


 って言う声が明るくて、そして見なくてもわかる笑顔だよ。


 背を合わせて滝壺さんと僕なんだけど、そのまま、互いに振り向いて見つめ合う距離は、もうすでに恋人距離。


 互いの体が前に向いた時に、一瞬、滝壺さんの体がふらりと揺れた。


 「わあ!」


 って思いつつも、僕は彼女を支える。腕を掴んで倒れない様にした。


 その行為に、


 「あっ!」


 って驚く滝壺さんなんだけど、その後は恥ずかしそうに、


 「ごめんなさい」


 って言って僕から距離を取った。そんなに馬鹿みたいに離れないよ。ちょっと間を開く


 なるほどって、思って、僕は気がついたんだ。


 滝壺さんって、きっとナチュラルに強い子なんだよ。


 出入りもいいし、今も攻撃するにも防御するにも、戦いを放棄して逃げるにしても絶妙な距離を取ってる。


 だから葉山も見たよ、彼女も気がついてると思うからさ、


 で、その葉山、なんて顔してるの? で、変な禍々しいオーラ出すのはやめようよ、純粋な闘争だからさ、なんか最近、葉山って僕が女の子に絡むのを嫌うよなあ。


 普通に牙とか角とか出て来そうだよ。


 そんな顔していると、もうそっち見るの止めるよ、って言いかけるも、そんな事言ったらもっと怒られそうだから余計な事は言わずに、葉山からの不穏な表情は見なかったことにして、僕は、


 「結構、体力使う見たいだね、そのスキル」


 って言って見た。本当にフラフラだもの。


 すると滝壺さんは、


 僕の手を取って、僕の目を真っ直ぐ見つめて言うんだよ。


 「あの、魔王さん、感激しました、凄いです!」


 ってもう凄い輝く様な笑顔でアキシオンさんを持ってない左手をつかまれるよ。


 すると、さっきからまるで怒ってる見たいな葉山は、


 「ちょっと、秋から離れなさいよ!」


 って喧嘩腰で近づいて来るんだけど、当の滝壺さんはそんな葉山なんげどこふく風って感じで、


 「強くて、柔らかくて、優しくて、広くて、早くて、凄いです」


 って滝壺さんは感激してるみたいに言うんだよね。


 「でしょ? そうなのよ、気持ち理解出来る」


 っていつの間にやらの雨崎さんが言う。


 「本当に真壁、またお嫁さん増やしてしまうつもりなの? 私と蒼さん、薫子じゃ満足できない?」


 って葉山がいうんだけど、


 「私を頭数に入れるなよ!」


 って薫子さんが怒ってる、飛んだトバッチリに僕を凄い怖い目で睨んでる。そんな気ないから、チリほども思ってないから!


 「魔王さん!」


 って一際大きな声を出す滝壺さん、どうやら僕へのお願いを邪魔されたくないらしい。


 で、もう一回、


 「魔王さん!!!!!」


 もうそんな大きな声を出されては、僕としても、


 「あ、はい」


 って言うしかなくて、


 「私を!」


 いや、もうお嫁さんとかいいから、葉山とか一人だけでも大変なのに、薫子さんとか、不機嫌装置みたいになる女子の皆さんとか一緒に、大勢と一緒になんて、僕にとっては拷問に近い環境だから、未だって偶に家に入りづらいなあって時があるんだよ、僕の家なのに、返っても真っ直ぐ自分の部屋に入ろうとすると怒られるんだよ、僕の家なのに。


 だから、ここはすっぱり、これ以上、数を増やさない為にに滝壺さんには断ろうと思ってると、滝壺さんはこう言ったんだ。


 「弟子にしてください!」


 あ、なんだお嫁さんじゃないんだね、なんだ、弟子の方か……。


 僕はほっとして、


 「え? ああ、うん、いいよ?」


 ってどうしてか最後は尋ねてしまう格好になるけど、


 「ありがとうございます! 私頑張ります!」


 って、滝壺さんは大喜びだったよ。


 うん、そうか、弟子か、弟子……。


 弟子????


 アレ? 弟子を持ったって事なのかな?


 僕が? この僕が???


 気持ちが不安に落下してるのはわかるんだけど、着地点の見つからないままの僕は、そのまま、混乱しているんだけど、


 「じゃあ、秋師匠、これから先、ずっと通わせてもらいますので末長くよろしくお願いします、頑張りますね!」


 うん、そっか、頑張れ。


 そうだね、でも、あれ? なんでこうなったんだろう?


 葉山と薫子さん、そして寝転がってる蒼さんは、笑ってしまうくらい深いため息を吐いていたけど、滝壺さんはお友達と一緒にキャイキャイと飛び上がって喜んでる。


 良いも悪いもわからないまま、それでも喜んでいる人がいるからいいか、って無理やり思い込む僕だったよ。

 

 

 

 


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