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第106話【光の剣】

 もちろん、この前の政府の発表で、この北海道の地に異世界が落ちてきている事は知っている訳で、そこで、その場合のダンジョンウォーカーをまとめる『英雄』になって欲しい事を改めて告げた。


 つまりは今回の勇者計画の最後の要。


 その中心に添えたいって言う話をした。


 「わかりました、やります」


 って滝壺さんは快諾なんだけど、その時に、ちょっと不思議そうな顔をしてて、


 「聞きたい事あったら聞くよ?」


 って言ったら、


 滝壺さんは言葉を選ぶ様に、


 「どうして私にこの剣をくれたんですか?」


 って聞いてきた。


 もちろんそれは全力で剣を振るうため、滝壺さんの持ってる、ダンジョン内でもかなり強力なスキルを遺憾無く発揮出来るためであって、僕として彼女の能力を知ってしまったので、じゃあアキシオンを……、って話になったんだよなあ。


 僕もアキシオンさんいなかったら、未だに思いっきり剣を振れてないからね、気持ちがわかるんだよ。壊れるかもしれない剣を持って戦うのって、それだけで大きなマイナスになるもん。もう、アキシオンさんなら、そういう事を考えなくていいっていうだけで大きなアドバンテージだよ。


 そのことを彼女に告げると、


 滝壺さんは言うんだ。


 「ずっと私を見ていてくれたんですね」


 まあ、そうだね、英雄陣のあたりから、注目はしていたから、


 「うん」


 って答えると、なぜか、彼女の周りの二人が黄色い声を出していて、滝壺さん本人は真っ赤な顔してた。


 え? どうしたんだろ?


 って思わず答えが欲しくて葉山を見ると、本当にわかりやすく『あちゃー』って顔してた。


 で、薫子さんは、


 「真壁秋、お前最低だな」


 って言われる。意味がわからないけど、何が彼女達を怒らせているのかもわからないし、僕として怒っている以上、もう絶対にそこには触れ無い様にしないと、って思うよ。


 そして、僕の目の前で、滝壺さんはアキシオンを抜き放つ。


 そのまま僕の手に持つアキシオンさんと重ねる様にして、僕を見て言う。


 「全く同じです」


 「うん、滝壺さんは、僕と同じスタイルだと思ったからね」


 そういうと、彼女は一瞬考え込んで、そして言った。


 「それを証明してもらえますか?」


 っていうから、


 んー……、ってなって、僕としては、今さっき春夏姉とやりあってちょっと今日はお腹いっぱいだなあ、って思ってたから、遠慮したいなあ、って思いつつも、断れる雰囲気でもないなあって、仕方ないって思う部分もあるからさ、


 「じゃあ、戦う?」


 って尋ねると、


 「是非」


 って答えが返ってき来るから、もうここは苦笑いするしかない。


 まあ、そうだよね。自分の知らない自分の形があるなら見て見たいってのは僕もよくわかるからさ、そこについては協力するよ。


 ある程度の距離をお互いにとる。


 そして、互いに丁度いいなあって距離感は同時に訪れる。まあ、この辺の間合いも一緒なんだな。


 そして、


 「行きます!」


 って言って、滝壺さんいきなり光加速して来た、のっけから全力だよ彼女。


 「うわあ!」


 って思いつつもなんとか弾く。


 本当早いなんてもんじゃなくて、驚きと、滝壺さんの剣と、その刃の軌道と、接触と音と、力が同時にやって来る感覚。


 「びっくりした」


 って呟くと、


 「いえ、光束剣を素で捌けるオーナーもどうかしてますよ」


 って急に出て来たアキシオンさんに言われる。


 あ、そうか、この速度に対応するために待機はしてたんだね。助かるよ。


 すると、今度は滝壺さんが、


 「凄いです、今のに対応されたのは、初めてです、私も忍者マスターさんに指摘されていた事には善処できていたんで、今までで一番いいのが出せたつもりだったんですけど」


 って言ってる。


 うーん、そうか、そうだね。


 滝壺さんって、素直な努力家なんだね、その上才能もある。


 これなら直ぐに強くなれるなあ。


 「同感ですね、彼女の持つ資質は、オーナーや、オーナーの母親である今日花さんと同質同様なものです」


 ってアキシオンさんがいうんだよ。


 「だよね、ここに来てすごく生き生きしてるのもわかるから、きっと刃をその身に置けるタイプだね」


 「じゃあ次、行きます」


 って再び滝壺さんは光加速。


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