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第110話【あれ? そんなに強くないぞ、この人たち?】

 こんな時だけど、僕は春夏さんの一言によって一息ついてしまった。


 なんか、いつの間に体全体を覆っていた、嫌な気配が全部消えた感じ。解放されて自覚できた。


 もしかしたら、あの時の王様スキル発動みたいにヤバかったのかもしれないって、思った。


 そんな空気も抜けてホワっとしてる僕に、


 「すいません、秋さん、一応、攻撃魔法も使えるんですけど、この階ではまだ制限あるんで大きなのはちょっと無理ですから、少し時間がかかります」


 って。え?攻撃系もいけるの? この人三系統の魔法を使えるの? いやいや、三系統って、それって全魔法スキル系統ってことだけど、すごすぎるんですけど、とか言ってる間に春夏さんが1人倒したよ、狼狽えているのは僕らだけじゃあなくて、この襲ってきた黒い3人の人たちもまた現状を把握できすにいて先程の殺気は保持しているものの、何か右往左往している。さすがこのスキは見逃さないんだ春夏さん。


 相手はエルダーなラミアさんの鱗すら切り裂く獲物を持っているから、対して木刀の春夏さんなら装備として分が悪そうな気がしていたけど、彼女には関係なかったね、2人目と打ち合いを始めたよ。


 「シリカさん、何かアイテムとかないのかな、ラミアさんがこのままじゃ」


 「残っているのは、わかさいも本舗と、わお、夕張メロンピュアゼリーが4つです、これならなんとかなるかもです、深階層の自分のテリトリーに戻るなら回復はされますが、ここでは無理難題ですね」


 最初の方の情報はいらない、わかさいも本舗とかあっても何とかなるような気がしないよシリカさん、ガチに入っているのはお菓子だけだった。


 そんなシリカさんはハッとして、


 「あ!」


 と言って一瞬期待する僕だけど、


 「おお、何てこと……()()()()忘れましたよ、これでは夕張メロンピュアゼリーが食べられません」


 って言った。ガチに悲壮な顔してた。


 ああ、期待した自分がバカっていうか一瞬でもシリカさん相手になんとかなるかもって思った自分を呪ってやりたい。


 こういう事に関して、彼女を責めてはいけないってロジックがすでに僕の中に完成されている事に驚いてしまっているよ、角田さんの気持ちがちょっとわかる気がした。


 ひとまず、僕らにできることは、ラミアさんをこれ以上は傷つけない。そして、早めにその回復が可能な寝ぐら的な所に帰っていただく。しかできないって訳だ。


 問題は帰れるだろうか? そこまで力が残っているかは疑問が残るけど、今は方法がない。


 あれ? 僕、何か見落としてないか?


 そんな疑問と結論に挟まれ至る頃、引き続きい戦ってる春夏さんが2人目を倒していた。


 うわ、凄い体捌き、今の人、対位置関係から、春夏さんが一瞬で消えたようにみえただろうなあって、くらいの足に、上からの攻撃。


 すごいな、春夏さん、この黒い人たち、どう見ても相当腕の立つ最下層あたりで、数で押していたとはいえエルダーな感じのラミアさんを追い詰めていた腕の立つ上級なダンジョンウォーカーだよ。そんなのもともしない。


 さすが、母さん関連の知り合いなだけはあるね。


 そのまま休むことなく2人目と交戦を開始してた。相手の深階層でも使用に耐える武器に対して、春夏さんって、普通の木刀だよ? そんな武器上の不利なんて全く感じさせないで戦ってる彼女も只者じゃあないよね。


 1人残った黒い人の1人は、なんか、いきなり僕の方に向かって切りつけてくる。


 うお!


 って焦ってしまったけど、大丈夫。1人なら対処できるよ。


 なにが焦るかって、この人たち、僕が思うほど早くもないんだけど、武器はいいみたいだから、その辺は用心しないと。日本刀かなあ? 凄い業物って感じの武器だよ。ラミアさんを切り裂いてしまくらいだからね。ジャージな僕らはひとたまりもないよ。


 それでも、全体的にみると大したことがないんだ。


 母さんが、「軽く流すね」って言って仕掛けてくるときより愚鈍で遅い。足元も散らしてないし、受けやすいね。


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