表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1100/1335

第75話【全てを混ぜる奇跡】

 しかも、白馬さんに言われた事で自分が生み出してしまった、僕を殺害するってイメージがなかなか抜けなくて、ディアボロスくんは最終的にエグエグ泣き出してしまったそうだ。


 「もう! 班長! 子供になんて事を言うんですか!」


 ってその後、三爪さんに、非道だの、非人格者だの、DVだの、父親失格だのって散々怒られたそうだよ。


 そんな三爪さんの怒りにも当てられて、ディアボロスくん、大号泣。


 で、怒る三爪さん、泣くディアボロスくん、「いや、そんなつもりは、すまなかったなディア坊」って謝る白馬さんで、その時、あたりは阿鼻叫喚の様子だったらしい。


 ちなみにこのやりとりって、ギルド付近のスライムの森で行われていたらしいんだけど、そんな様子を見ていた真希さんが、


 「こうやって、子供も親も、一緒に成長して行くんだべな」


 って見守っていたとかいないとか。


 いやいや、白馬さん親でも無いし、ディアボロスくんは子供じゃ無いし、そもそも家族って括りでも無いよ。


 それはともかく、最終的に、白馬さんは、


 「やめておいた方がいいな」


 と言われたディアボロスくんは、


 「僕が怖い思いをする前に白馬に悲しい思いはさせたくないじゃないですか、それに、この世界の魔王である真壁秋って人がいなくなるのは僕としては嫌なんです だってみんな僕の事好きでしょ? 優しくしてくれるし、絶対に、僕の事好きなんだなって思うんですよ、ご飯美味しいし……、それに友達だし」


 友達って言葉を呟いてからディアボロスくんは、ハッとして、


 「あ、僕が勝手に思ってるだけですから、魔王とかみんなを友達って、思うくらいは別にいいでしょ? ほら、一応、僕は僕の世界側の、あなたたちの言う所の異世界の住人な訳ですから、しかも敵側のスパイな訳で、もう最悪な敵な訳じゃ無いですか、この辺はきちんとしないといけないんですからね、僕敵ですから」


 なんかやたらと焦って言ってた。


 みんな無言で、微笑ましく見つめていた。


 本当にディアボロスくんっていい子だよね。


 以前、今は人妻やってるアモンさんから聞いた話だけど、このディアボロスくんの、魔物というか、三柱神としての性能って、どうも、角田さん、だからゼクト様ね、とかアモンさんのとして穴埋めに来てるけど、その性能は上位互換らしくて、彼だけが持っている『混ぜる』って能力って相当にやっかいらしくて、『天と地をここを中心に混ぜ合わせる』って言う『奇跡』は、異世界の中にも扱える者はなくて、完全に彼、ディアボロスくんのオリジナルな奇跡なんだそうで、使い方によるけどそれだけで世界なんて一変できるほどの能力らしいんだ。


 だから、アモンさんに最初に言われたのが、子供の姿をしていても、それがどんなに愛らしい姿をしていても気を許すな、もし、抱え込むなら自分の腹の中に刃を飲み込む覚悟くらいはしろ、って言われて、実際に、アモンさん自身もディアボロスくんに会って、その言動と行動を具に観察して言った言葉は、


 「問題なさそうですね、前に言った事は忘れてください」


 だった。


 アモンさんの話によると、完全にその性能を性格が殺してるって事だった。


 何より、このバランスの悪さでありながら、彼、ディアボロスくんの様なタイプを送り出して来るってことは、もしかして、異世界の方もそれなりの、層の魔物と言うか人しかいなくて、ぶっちゃけてしまうと、人手不足? ってのも脳裏に浮かんだってことを言っていた気がする。


 少なくとも持っているスペックとポテンシャルに対して、メンタルがまるでなってないって言ってた。


 こう言う使い勝手って、こっち、つまり僕らの世界ね、その中でも、未だ兵士として届かない未熟な者の派兵ていうのは、それを行う方の総合的な力が落ちて来てる証拠とも取れると、賢いアモンさんが言ってるから、きっとあちらも何やら大変なのだろうと、異世界側の事情も察する事が出来る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ