第7話【到着、4丁目ゲート前】
昼間の光も手伝って、大通公園は眩しい光に満ち溢れていた。
札幌の街を全体に南と北に分けるこの大通公園、全長1500m全幅105m、東西へ向かう6車線の都市計画道路に挟まれた札幌の街の真ん中にある巨大というか長い公園には、ダンジョンの入り口がいくつかある。
特に、有名なもの、人気のある入り口の一つが僕らが向かっている『4丁目ゲート』だ。
市電の電停、『西4丁目駅』で降りた僕らは駅前通りを北上して、100mほど歩いて、大通と交差する信号を渡り、問題の大通公園に入る。
だから、この大通り公園って、どでかい道路の真ん中にある、まあまあ広くて長い公園って感じの言い方がわかり安いかもしれない。
大通公園は、年間を通してイベント会場になる公園で冬はもちろん、あの雪祭りの会場ともなり、巨大な雪の像が並び、さっぽろスノースポーツフェスタの会場にもなって、春から夏にかけては、豊かな草花に飾られて、森林浴ならぬ公園浴にビアガーデンなど、秋とも各種イベントに屋台の並ぶオータムエスト、公園を囲むイチョウの木の紅葉に囲まれて世界の味覚を堪能できるし、ラーメンフェスティバルなんてものも開催されるよ。全国のラーメンが大通公園で食べられるんだ。
一年を通して、札幌市民の憩いの場になっている。
その大通公園は日夜、ダンジョンを利用するすごい数のダンジョンウォーカーの人達が集まる。
イベントやお祭りなんかの日には遠慮するダンジョンウォーカーのみなさんも、こういった平日はまったく遠慮がない。
公園内の、大きな双方向にある通り、遊歩道なんだけど、普通に二車線以上の車道な広さはあるんだけど、そこに溢れんばかりの人、ダンジョンウォーカー。
たぶん、重装備の人たちって、ここから7丁目ゲートに向かうんだろな。直接、深い階まで行けるからね。
色とりどりの金属系プレートのメイルとか着込んでるから、太陽光が、こっちに反射して、キラキラして眩しかったりする。
ここ最近の流行りでは、プレ―トメイルとか、盾とか、メタリック系が流行ってるらしいからね、ダンジョン内でもきっとキラキラしてるんだろうね。すぐに敵に発見されそうで、だからか? もんすたーから寄ってくる仕様なのかもしれないな、って考えてしまう。
それに、春、いや3月って、晴れた日って意外に日差しが強くて、気温上も事実上もまだ冬の北海道だから、全ての地面を雪と氷によってコーティングするみたいに覆われてる道路や地面、その他に低い工作物、ましてここ大通を含む札幌の街の地下鉄、地下街の入り口とかもガラス張りだからね、そこから反射して来る光もかなりあるから、ある意味北海道の冬は眩しいシーズンとも言えるんだ。
もう光が溢れる世界とも言える。でも決して幻想的でもない。夜はホワイトイルミネーションとかで優しい瞬きも、昼には現実に目には暴力的に厳しいから。
それでも、スキー場なんかの晴天時の、上からも下からもこんがり焼かれる感じよりは手加減を感じるかな。
紫外線強んだよね。気温低いから空気も澄んでて透過率いいから、街中でも雪焼けみたいになる事もあるんだよ。
本当に顔だけ焼けるから。顔を洗う時にヒリって来て気がついちゃうから、気をつけないとだよ。
まあ、僕たちはすぐにダンジョンに入っちゃうけどね。隣で春夏さん、目を細めてるからまぶしんだな、ってわかる。急ごう。
僕らはそのままゲートに向かう人の波の流れに乗った。
今の時期なら、修学旅行シーズンからも外れてるから、空いてる、って、市電にはダンジョンウォーカーの姿も見えなかったから、完全に安心してたけど、やっぱり、こうしてダンジョン入り口が集中する大通公園に来ると結構な数のダンジョンウォーカーがいる。
今日も北海道ダンジョンは大盛況だね『スライムの森』混んでないといいけど、って一抹の不安を覚える僕だったよ。
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