第74話【北海道魔王暗殺計画】
夕方には戦いは終わって、僕らはみんなで食卓を囲んでいた。
美味しいなあ、ハラス。本当に海の至宝だよね。
あんなの何人、何台集まっても、アキシオンさんの一撃で終わりだったよ。
攻撃方法はアキシオンさん任せにしようと思って、「では『アキシオン地球斬り』とか行ってみますか?」とか言い出すから焦った。いや、アキシオンさんの場合、本当に洒落にならないからね。
そう伝えようとすると、「お気に召しませんか、では『太陽消滅中段突き』とかどうでしょうか?」、それ人類全部死滅してしまうヤツだから、氷ついちゃうから、って事で、ひとまず、敵対者に対して、手足の筋組織の分断で手を打っておいた。
わかりやすいく、一撃で、左翼、二撃目で右翼を壊滅させた。
「出来るんなら、もっと早くやりなさいよ」
って葉山に言われるけど、今回、こんな使い方するのも初めてだったし、でも手の中にちゃんと相手の筋組織を確かに23943人に対するフィードバックもあったし、いっぺんに23943人を切ったと言うより、1対1を23943人分いっぺんにやった感じ。
「すごい、今のどうやったんですか?」
って聞いて来る雨崎さんに、どう説明しようとしてると、母さんが、そのまま買い物に行くその後ろに、いつもの様に薫子さんがついて行って、さらにその後ろに雨崎さんがついて行く形になって買い物に出かけて行った。
「私もご飯食べてっていいですよね」
って母さんに直接尋ねながら、「いいわよ、たくさん食べて行ってね」って頷いて回答する母さんに、「御馳走様です!」ってお礼を言いながら、3人縦に並んで今の今まで家を取り囲んで元気に攻撃してた人達を、唸り声を上げながらのたうち回って倒れている人達を踏まない様にビックハウスに向かって行った。
結局倒した人達は、救急車なんて役に立たないレベルで、地元の自衛隊が災害派遣で、瞬く間に片付けて連れて行ってくれた。
で、ようやく落ち着いて、今は晩ご飯あ訳だ。
「お母さん、おかわり!」
と言うのは僕じゃなくて、雨崎さんね、なんだろう、かつては魔王城に攻めて来て、ついさっきは自分に酷い目に合わせた人をやっつけて、今度は、うちの家のご飯を食い尽くす気なのかもしれない。
そんな雨崎さんを横目で見ながら幸せという名の呵責を行いつつ、僕らは今後のことを話あっていた。
今回、うちに攻めて来た人達。
ヤケになった人。
もう、後が無い人。
そして、それが自業自得って気がつかない人達。
きっと、聞けば理由もあるだろう。
それなりの正当性とかも。
そして、僕の家を襲って、僕を亡き者にして、それでどうしようっていうのは、今後の公安や警察の取り調べで明らかになってくるとは思うけど、
ディアボロスくんが言うには、
「ええ、北海道産魔王一派を倒せば、僕達の世界が落ちた後の体制の移行も簡単ですからね、僕の所に来た人はそう言ってました、一番近い僕がなんとかできないかって」
その人物というのはどうも海賀の孫の様で、だからかつての英雄陣の代表であって、詐欺紛いやら、違法医療やらにも関わっていた人。
ディアボロスくんを使ってそんな事を言って来てたんだ。
そんなディアボロスくん、
「だから、僕も白馬に直ぐに相談したんですよ、『魔王暗殺をお願いされたんだけどどうしたらいい?』って」
そして、白馬さんの答えは、まず、「ディア坊、お前はどうしたいんだ?」って聞かれたんだって。
そしたらディアボロスくんは、
「僕が、あの魔王に勝てる訳無いじゃ無いですか」
って答えてると、白馬さんは、ちょっと考えて、
「いや、ディア坊、できるでき無いじゃなくて、お前はどうしたいかと言うところが大事だぞ」
そんなことを言われて、迷うディアボロスくんに白馬さんは、
「じゃあ、想像してみろ、お前が真壁を殺す様を」
って言ったら、
「そんな怖い事想像できないです、無理です!」
その時、一瞬でも僕を殺すって考える自分を怖くて恐ろしくて、直ぐに考えるのをやめてしまったんだって。