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第68話【首相からのホットライン】

 あの後、なんと僕のスマホに総理から直接電話が来た。


 使いの者とかじゃなくて、正真正銘、我が国の内閣総理その人。


 いやあ、なんかびっくりした。


 何がすごいかって、あの腰の低さ。


 一国の総理がさ、すごい丁寧な言葉で、最初にしたのが謝罪。


 「まず、勝手に君の名前を出してしまってすまなかった」


 って開口一番にそんな言葉を言われてしまっては、こちらとしても、「いえ、そんな、いいです」


 くらいしか言いようがない。


 それに、総理というか、政府機関を含めて、すでに僕が、落ちて来る異世界に対して対応を始めていることも知っていた。


 何より、僕達が今まさに北海道ダンジョンで行っている、ダンジョンウォーカー強化計画であるところの、『勇者量産計画』の内容も、事細かに知っていたのには驚いた。


 今までも、もっと早く、迅速に動きたかった、この国の政府だったけど、実は最近まで、この国の政府やそれを支える各省庁、そしてマスコミまでも、異世界からの手のものにによって、いわゆる、サイレントインベージョンっての? 


 静かな侵略? 


 音も立てずに、ゆっくりと確実に政府やら国営に潜り込んで、その重要な部分を解体して行くって言う、割と長いスパンでやられていたらしい。つまりは、この国は、その国幹の重要な箇所まで入り込まれていたらしい。


 それどころか、世界までも汚染してるって話なんだって。


 つまり、今、考えるとおかしな国連決議も、その前の自衛隊の行動やらも、完全に彼らの手によるモノで、その中心は、あの海賀グループなんだって。


 その孫の作った英雄陣だって、よくよく考えたらダンジョン内で、有力な組織を潰そうって目的も、改めて言われて見るとおかしな話だよね。


 つまりは、国と北海道ダンジョンの弱体化、世論の誘導、何より、落ちて来る異世界の迎える準備をしていた訳だ。


 もちろん、あの海賀グループ会長の謝罪記者会見での、会長を巻き込んだ僕と葉山の攻防は完全に海賀の会長は被害者に慣れた訳で、あのカニなんだか虫なんだかって気色の悪い正体を晒した変態は総理サイドの人間からもまるで予想外だった。


 だから会長は、世間体なんて考えて無い、そして、化物の様になって、人に襲いかかる姿を平気で晒してるって事は、もう、その先なんて考えていなくて、まるでヤケになっているか、もうここで終わってもいいか、それとも何かのチャンスと思ったのか? 


 海賀会長があの時何を考えていたのかは、今でも謎なんだけど、ともかく、これがきっかけになって、首相は、今、この瞬間を使って、広く国民に、この事実を広めようと思ったんだってさ。


 で、その時の政府発表の現場にいた人達。


 つまりこの国以上に、海外のマスコミの人達が、こんな一高校生である僕に、全権を委ねる、的な総理の発言に、肯定的になれたのは、あの場所にいた人達はみんな、あの大通りでの国連軍vs僕の戦いを目の当たりにしていたから、その実力とかもその目で見ているから、僕だったらできるだろうって、そう言う流れでファンタスティック!だったらしい。


 もちろん、初めからそのつもりだよ。


 だって、春夏さんとの約束だもの。


 最初から、そう言うつもりだし。


 そこは変わらないんだけどさ、そこで公式に僕が、って話をしてしまうのはどうだろう?


 って思うんだ。


 でも、総理としては、あの場の外国人記者を含むマスコミを味方につけて、国民を安心させたかったから、あんな感じの発表になったらしいんだ。


 もちろん、各国は既に、この危機に関して、協力するって体制で動いているらしいんだよ。


 同盟国、友好国にかぎらす、全力でこの国を、北海道をバックアップするって、言う発表が次々と出される。


 もし、異世界が落ちてしまって、北海道が支配されてしまうのなら、それはもう、この国の危機くらいじゃあ治らなくて、世界の危機に他ならないからさ。


 みんな概ね自国の為に動いているんだろうけど、それでも、大型病院船の派遣やら、万が一の事態に対する、脱出船、航空機の派遣なんてものもあって、すでに予想されるであろう被害に対する、ボランティアの派遣やら募金やらが各国で始まっているらしいんだって。


 そんな話を総理から直接聞いて、思わず感心してしまう僕は、今回の危機へ対する恩賞みたいなものも用意しているくらいの事は言っていた。


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