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第66話【非接触型置物系男子】

 憮然として、つけもをポリポリさせながら、薫子さんは、


 「全く、男子が入ってる浴室に、いかに真壁秋が女子に対して何もできない非接触型男子だとしても、まともじゃない、狂気の沙汰としか言いようがない、こんな奴でも、女子に対して非積極型だとしても、それでも男だぞ、いつどうなるか」


 「ちょっと、非接触型とか非積極方だとかって何? 僕、そんな風に言われてるの? 一体、誰がそんな事言ってるのさ!」


 って、言葉の中にそこはかない悪意と言うか失笑を感じるので、ちょっと不満に思ったので、薫子さんを問いただすと、


 「真希さんだ」


 ああ、そうなんだ。いやもう、納得せざるを得ない僕だよ。


 「つまりだ、葉山静流、こんなのでも男なんだ、それを裸になって浴室になどど、いつ変貌して襲いかかって来るかなんてわからんのだぞ」


 こんなのって……


 「いいのよ、襲われたいんだから、ほっといて!」


 って葉山は、葉山の為を思って言ってくれているであろう薫子さんに言う。


 「何を言ってるんだ、私はお前の事を思って……」


 薫子さんって、本気で言ってるんだよなあ、本当にいい人だよなあ、って思う。襲われる対象が葉山で襲う対象が僕って事を除けばいい話って思えるよ。


 って呑気に彼女達を見ていたら、薫子さんに睨まれたいよ。


 ええ? 僕が悪いの?

 

 「ほら、始まるわ」


 母さんの言葉に、僕らはテレビの方を注目した。


 テレビ中継は、首相官邸からおこなわる様だった。


 現在のこの国の首相は、まず、最初に挨拶をして、そして、話始めた。


 今の総理って、結構人気があるよね、しっかりした考え方の元、国営を動かしてる。かなり長い任期で、今、4期目だったっけ? この人がいなかったら、現行のダンジョン方も行政による支援もなかったんじゃないかって言われてるから、高い評価を受けてるいい首相さんだ。


 野党の変な質問にも、毅然と、それでも笑顔を絶やさない人って印象があるけど、その首相の表情も、今日は特別なものに見えた。


 そしてついに政府の公式発表が始まった。


 内容は恐るべきモノで、僕らの鍋を囲むその手も止まるほど、気がつくと、その鍋から具材も水も足されないまま、グツグツと煮える音だけが響いていた。


 その発表を簡単に説明すると、つまりは、この世界、僕らが住んでる所の話ね。


 その世界は、とっくの昔に、異世界と混ざってた。


 って言うか、異世界は既に、この地に落ちていたんだ。


 正確に言うなら、この世界中の至る所に、破片となって、世界中に落ちていた。


 もちろん、そこに住んでる異世界とされる魔物も、人も、かなりの数落ちていた。


 だからね、僕らが言う所の、北海道ダンジョンにおけるモンスターってさ、外国のファンタジーな物語やら、そこから派生するゲームなんかでお馴染みなモノって捉え方は真逆で、そこにある物語やらの方が本物だった訳で、つまりは、そこにいる伝承伝説の生き物とかって、今、落ちて来ている異世界から、先に落ちていた一部から派生していた現実の魔物だったりする。


 だからさ、昔話で出て来るドラゴンや、話としては僕らに馴染みの深い鬼とかすらも現実のモノだったって事なんだ。


 つまり、最初からファンタジーな話、とかじゃなくて、全ては存在し、何よりこの世界に対して影響を与えていたのが、今、ここに落ちようとしている異世界だったって話なんだ。


 そして、僕はら落ちて来ている異世界から、様々な恩恵を享受している。と言うか、その時の政府やら、人類を代表するモノ達を通して、この地に降りている。


 決して全てってわけもないけど、今のこの人類の発展には、かなりの割合で、異世界は絡んでいて、宗教や道徳、戦争やらその停戦にすら関わっている部分は多くて、特に礼をあげて言われたのが、あのジャンヌダルクさんも異世界の人だったらしい。


 つまりさ、魔法が、ダンジョンウォーカーのスキルに酷似するのも、魔物が今現在、北海道ダンジョンに存在するモンスターやら魔物に酷似するのもあたりまえで、似ている、とかそっくり、じゃなくて、そのものなんだよ。


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