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第62話【お前だけは絶対に〇ス! 斬り刻む!】

 葉山を抱いたまま、僕は文字通り海賀の会長を切り刻んた。


 ここまで魔物の姿をしている以上、何を言ってもどんな事を話して来たとしても、もう遠慮なんていらない。


 床に転がった、爺の顔が悲鳴を上げてる。


 なんだ、首だけでも生きていられるんだな。


 体が済んだら、その首も刻んてやる。


 でも、ちょっと遠い所まで転がってるから、もうちょっと近くに来ないかな、あの顔。


 ああ、ちょっとまた頭がボーってして来たよ。


 もう、目の前を舞うのが、自分の血なんだか、奴の血なんだかわからなくなって来た。


 それでも、アキシオンさんの一撃数万〜数千万の斬撃に僕の腕から出さる刃の軌道によって、人と魔物を混ぜた様な体は霧散する様に、その体に流れていたであろう、体液と共に、床に撒かれる様に倒す。


 あ、無味無臭になってるってことは、分子くらいにはバラけさせたかな?


 細胞以下だから、もう復活はできないね、分子レベルで干渉はできないだろうからさ。


 さて、残った頭を三枚にでも下ろすかな、って考えてる時に、いきなり僕は脇から誰かに引っ張り込まれる。


 横には、今までみた事ない薫子さんの顔があった。


 邪魔しないでよ薫子さん、


 って言おうとしたときはすでに僕らは家のリビングに帰っていた。


 葉山の方は蒼さんが連れて来てくれたみたい。


 つまり、僕らは瞬時に北海道に戻された訳だ。


 「うわ、顔、潰せなかったよ」


 害虫駆除に失敗したみたいな言い方をするんだけど、


 「秋先輩! 動かないで!」


 って、いきなり雪華さんのエクスマギナによって固定される。


 そんなに怒らなくてもいいじゃん。って言おうとしたけど、おかしいな唇が動かない。


 僕を覗き込んでる、蒼さんの顔、そんなに心配しなくていいよ。


 その後ろの葉山のなんとも言えない表情に、ちょっと胸が痛んだ。


 そんな顔すんなよ、葉山。


 ごめん、トドメさせなかったけど、次は上手に止め刺すからさ。


 大丈夫だよ、って言いたかったけど、なんかね、意識がね、遠ざかるんだ。


 で、そこで意識がググって、奥へ落ち込んで行ったんだ。


 いつもの家の中の空気。


 いつもの雰囲気でいつもの声で、きっと安心したからだと思う。


 僕はそこで意識を失っていたんだ。


 一体どれだけ寝てたんだろ?、ともかくとても深く寝てたみたいで、爽快な、と言うか何も問題もなくハッと目が覚めた時には、どれだけ時間が経っていたかなんてわからなくて、今はいつで、いつまで寝ていたのかわからないって状態で、僕、自分の上で、笑っちゃうくらいパニクっててさ。


 慌ててベッドから出て、家の中の様子を見るんだけど、誰もいなくてさ。


 いやいや、怪我人放って置いて、ちょっとひどくない?


 って思って、仕方ないあ、と、


 「アキシオンさーん!」


 って呼ぶのだけれども、


 「シーン」


 って言う、ともかく口も聞きたくないって言う意図は感じられる返事が返って来るからさ、しかも、これって怒ってる時の『シーン』だなって、本能に割と近い所で理解できるから、またあのアキシオンさん的便利空間に引き込まれて、説教をされるのもなんだなあ、って思うから、ここは余計な事を言わないようにしようと思って、この状況を自力でなんとかしようとする僕だよ。


 今の僕の欲求は、水を飲みたいのと、なんか凄い身体中が多分寝汗だと思うけどベタベタするから、お風呂かシャワーを浴びたいなあ、を満たす為に行動を開始する。

 

 どうしようかな、今、って何時だからわからないけど、うちの家のお風呂って、みんな好き勝手に入る為に24時間保温されてるんだよね。しかも大きいし。


 このお風呂の大きさって、ダンジョンウォーカーの里親制度によるところの規格になってるから、一度に何人も入れるよ。


 葉山と薫子さんは良く一緒に入っているかな。あと、妹も母さんと一緒に入ってる。


 性別の都合上、男である僕はいつも一人で入るけどね。


 だから伸び伸び入るよ、って思って、一先ず、どうも体が冷えてる感じがしたからさ、軽く体を洗ってから、湯船にのんびりと浸かっていた。


 「ういいい……」


 って変な声出ちゃったけど、まあそれだけリラックスしている訳だから。


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