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第61話【葉山を取るか? 世界を取るか? じゃあ葉山!】

 僕は葉山を抱き寄せる。正確に言うなら、馬鹿みたいに驚いてる顔を引き寄せて、もう一人からの攻撃を避ける。と言うか、僕が受けた。


 後ろからかよ。本当に卑怯な奴だ。そんなことだから、女の子の体を弄り回して喜んでる爺なんてこんなもんか。


 多分、僕の背中から葉山を貫こうとしたんだろうけど、その辺はアキシオンさん健在だから、背後でその刃をうけるよ。


 その海賀の会長の手がさ、大きな剣に変形していたんだ。


 あれ? こいつ、すでに人間じゃないの?


 なんか、みると海賀の会長、凄いカッコしてた。この前会った雨崎さんの上位互換の敵みたいな、ゲームで言う所の色違いな敵みたいな形してた。


 「そのようですね」


 アキシオンさんの冷静な言葉………………………………………………………もう! 先に教えてよ!


 葉山に悪い奴だとは言え、お茶の間に流されてるTVで、こんな萎びたおじいちゃんを殺させるわけにはいかないなあ、って思ってたけど、こいつ、魔物じゃん。

そしたら、そんな衝撃な事実を前にショックを受けてる僕に向かって葉山がなんか言ってる。


 「だめだよ、真壁、こんなところで、世界的企業のトップを殺してしまえば、きっと経済界、ううん、世界的な世論だって黙ってない、私は真壁にそんな風になって欲しくない」


 とか自分の事を棚に上げて言ってる。


 本当に心配そうな顔して、こいつはいつも人の心配ばかりしてるよな。


 何より現状は、そんな悠長な事になってない。


 葉山の奴、完全に僕が影になって、この魔物爺の姿に気がついていないみたい。


 それに、もし仮にこれが世界を敵に回すのって言うなら、一回やってるから、これが二度目なら前よりももっと上手くやれる自信はある。もちろん根拠なんてないけどね。なんとなくだ。以前の事がたまたま上手く行っただけなら、今回もたまたま上手くいく筈だよ。


 で、そんな現況の中、この魔物化した爺、背中をグリグリして来るんだよなあ。


 この時点でようやく海賀の爺の変態に気がついて、葉山は息を飲んだ。


 僕の背中を貫けないって、諦めた海賀の会長は僕、僕が捕まえてる葉山を押し倒す。


 ここで、石化していたような会場もようやくざわめき始める。


 会場は何が起こってるかわからないって表情を浮かべてる人が多くて、それでもプロだ

よね、カメラマンの人たちは頻りにシャッターを連打している。


 この前より、この会長な爺いは体が一回り大きく、マッチョな体格になっている。


 パンプアップっての? そんな感じで顔だけ爺いだよ。


 「ここで、北海道魔王を殺れたのは幸運だったな」


 とか、もう勝った気でいるからおかしくなる。


 葉山と一緒に床に押し付けられそうになる僕は振り向き側に左手に移ったアキシオンさんで横に綯いだ。


 徐々に人の体の形を捨てて行く姿の中、唯一、人らしい顔が空を舞った。


 会場から次々と悲鳴が上がる。


 「な、なんだと!」


 飛んでく首が驚いきそんな言葉を吐いた。


 気持ち悪いな、喋んな。


 残った体が襲いかかって来る。


 アキシオンさん相手に、体を硬化させた程度の武器で襲いかかって来るなんて、バカじゃないの?


 って言うか、今気がついたけど、アキシオンさん、銀色に光ってる。って言うか、高周波ブレイドって言うの? 斬ってる僕もまるで手応えがない。ってか僕自身、ちょっと出血が激し過ぎて、指先に力が入らない。なんか血が足りないなあ。


 だんだんぼーっとして来たよ。


 でも、だめだ、ここでこいつ倒さないと、絶対に尾を引く、これ以上、葉山をいじめられてたまるもんか、こいつは消す、この世界からガッツリ削り取ってやる。


 「ガキが、私には移植された1000の魂があるのだ、好きなだけ斬るがいい」


 とか、転がる首がそんなことを言うからさ、


 「わかった、じゃあ、1001回行くね」


 粉になるまで刻んでやる。


 これで世界が葉山の敵になるなら、世界は僕の敵って事だ。


 もう、泣いて謝っても絶対に許さないぞ世界、覚悟しておけ!

 

 

 


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