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第57話【異世界を取り込もうとする世界企業】

 僕ら、マテリアルブレード、今はアキシオンって呼んでいるそれぞれの剣の、ここまで都合の良い持ち主の関係と距離ってのは、全部、計画の上の結果だと思うんだ。今更だけど……。


 これって、海賀とか大柴とか、それぞれの企業とか雪灯さん個人ではなくて、それも含めて、アキシオンさんが絡んでいるせいだと思う。


 とういか、本来ならどう頑張ってももっと最悪な結果になるはずなのに奇跡にも近いタイミングとこれらの出会い、今の結果すら、きっとこの剣を形作るアキシオンさんの導きなのかもって、今更思う。


 それどころか全てがここへ繋がる結び目の位置すら、もうすでに決まっていたのかもしれないよって思う。


 かつて僕の所に、冴木さんが持って来てくれたのだって、今を思えば不自然極まりない。


 だって、冴木さんて、警察官だよ、普通に考えると勝手にアキシオンさんを持ち出したんなって考えられないもの。


 最後のフランベルジュタイプが、雪灯さんとラボ共に来たのも、一箇所にこのアキシオンを集めておこうって意図が見え隠れしてる。


 その件に対して、アキシオンさんに尋ねても、『シーン』って言うだけで、その真意は定かでは無い。でも、絶対に狙ってやっていたって考えるべきだよね。


 話を元に戻すと、これは、雪灯さんの主導で行ってた、かつて、マテリアルブレイドと呼ばれた僕たちの剣、今はアキシオンの研究へのアキシオンを装備した葉山は必要不可欠だったらしいんだ。


 この辺については、以前から聞いていたけど、結局、マテリアルブレイドって、当時は大きさと重さが肝だったって話で、一番大きなL型、今は春夏姉が持ってるフランベルジュ型が、数の上で圧倒的で、二番目が僕の剣で、三番目が葉山の双剣タイプ。


 でも、研究の上では、僕の剣が一番下で、葉山が二番目なんだって。


 どうしてこんな矛盾が生まれるかって言うと、マテリアルブレイドを2本に分けたことが原因で、結局、どう頑張っても両手に一本一本の攻撃になるので、その攻撃に当たれるマテリアルブレイドの単一質量も、その大さになる。


 まあ、確かに、って納得の僕だけど、雪灯さんが言うには、その2本を、1本として扱えるのが葉山なんだそうだ。


 つまりどう言うこと?


 ちょっと話が分からなくなったので、深く聞いてみると、葉山は単体の技術はそこに移植されたスキルなんて関係なく、人工的に調整された技能と、訓練によってそこまで出来る人なのだそうだ。


 じゃあ何、あの『戯れ踊る竜と囁き歌う剣が凶つ部屋』での葉山って、全然本気じゃなかったって事?って聞いてみると雪灯さんは、『体調の問題もあったしね』と言葉を濁した。


 それでも、雪灯さんが言うには、葉山は元々、双剣による手数のタイプではなくて、『一撃必殺』のタイプだそうで、大柴のラボもそれを期待していたって話だ。


 だから、意思疎通を見せ始めて僕と現在のアキシオンさんに相当な負荷をかけられる筈って言う計画がなされていたようだった。決戦以降は諦めてしまったけど、僕とアキシオンさんが以前よりも仲良くなったからそれはそれで実験は成功、と雪灯さんは言ってる。


 加えて言うと、僕がアキシオンさんと仲良くなることって、かなり重要だったらしくて、雪灯さんが言うには、直径1㎜のアキシオンさんの霧散にともなう蒸発拡散で地球の半分くらいは消し飛ぶそうだよ。残った半分も光速に極めて近い速度で何処かへ飛んで行くらしい。脆くなった地表は空気の対流と速度によって瞬時に蒸発するんだって。


 危ないなあ! 僕、毎日持ってるよ!


 だから海賀が非人道的な行をしていると言うのであれば、雪灯さんも負けてはいなくて、扱いを間違えたら世界というかこの地球が吹き飛んでしまう『ダークマター』の一種で、兵器を作っているという事実があったから、その辺は互いに企業間で気を使っていたと言うかある程度の不可侵条約みたいな暗黙の了解があったらしい。


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