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第55話【装備品保障問題】

 僕は知らなかったけど、これ以外にも、この海賀グループ全体では、他にも酷いことをやらかしていて、『英雄陣への装備保証問題』とか、つまりは、その組織員に、持たせた装備の負担とか、だから金銭的な負担だね、お金持ちの子供はいいけど、一般からスキル保有によるスカウトとかもしていたから、そんな子供達にとって、彼ら補償を言い出す装備は、初代微水様の刀とかもあるから、ひどいものになると億越えの金銭を要求されたっていう、詐欺師まがいの話も出てきていて、海賀は法律をうまく利用して、それを子供を通して親に請求していたって話まで出てきてるんだって。


 この話が出てきたのは、元英雄陣の、まだ中学生になりたての男の子が、自殺をしてしまった事で発覚したらしいんだ。未遂には終わったらしいけど、被害にあった人は多数いて、一人や二人ではないって話だね。


 無理もないよ。


 まだこの前まで小学生だった男の子にさ、弁護士通じて、壊れた武器の補償と言って、その金額の半分を負担しろ、って言って来たらしいから、通常なら、その子供の反応をみて、親の方にも報告するなんて言われたら、そりゃあ死にたくもなるよ。


 ちなみに壊れたってのは、あの時D &Dの事件の時ね。


 英雄陣がD &Dの砦を奪おうとしたあの事件、つまり、僕の手が、だから魔王の手によって、不死者の大群で英雄陣とD &Dを壊滅させた事件だね。


 その時は、命は奪わないって、恐怖を植え付けるだけっていうコンセプトのネクロマンサー夫妻だから桃井くんとサーヤさんね、その二人も装備品のことまでは考えてなかったから。でも、そこはダンジョンだよ。弱肉強食、命に気遣って全滅させている桃井くん達の気遣いは、感謝される事はあっても恨まれる筋合いは無いよ。


 結局、装備品を壊すのも、手に入れるのも、そんなのダンジョンウォーカーの資質で責任だから、対モンスター戦を舐めていた彼らに、意気揚々と深階層まで来た彼らには同情の余地なんてないんだけどね。


 そんな装備品の弁償を言い渡されて、みたこともない億単位の金額を要求されて追い詰められた一般の英雄陣の男の子が自ら命を絶ってしまったことは、正に不幸中の幸いだったんだ。


 いや、自殺の何が不幸中の幸いかって話だけど、この子、ダンジョンの基本的な事、常識すら知らないで入って来た子だから、このダンジョンで『人は死なない』って事実すら知らなくて、睡眠薬を大量に煽って、聴き始めて命に支障が出始めた頃、ギルドの保健室に転送、回復後、頑なに口を閉ざす彼に対して、医療的に生命倫理的に安全を担保した上での、真希さんと雪華さんの優しい尋問により、すべての経緯が明るみになったって話なんだ。


 まあ、壊してしまったものに対しては弁償しなきゃあなあ、って思ってた僕は、これも後で聞いた話なんだけど、今回の場合、未成年の契約に置いて、いかに親の保証があるとはいえ、ダンジョンという特殊環境の中でのできこどなので、法の上で担保されてルトはいえ、いくらでも逃げ道はあると、瑠璃さんが言ってた。


 もちろん、そんな事、請求されている彼らが知るはずもないしさ、まして、弁護士だの、裁判所だのって言われたら、それだけでもビビるよね。僕だってすくみ上がるのは間違いないよ。


 そして、ギルドも、雪華さんも、そんな現状の、追い詰められたダンジョンウォーカーが他にもいるはずだって、調査に動いている。


 あ、雪華さんは、企業体として動いているんだって。


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