第54話【世界グローバルな海賀商事の暗躍】
僕らは、僕の家のリビングで、今回の事件のあらましを説明してくれるって来てくれた雪華さんのお母さん。
雪灯さんの話を聞いていた。
その話の内容は、一応、葉山に話す事を許可してもらって、全員で聞いていた。
そして、葉山とは言うと体調が優れないと言って、自室に戻る。
薫子さん、白馬さんもいて、雪灯さんについてきた雪華さん。そして母さんはともかく、妹もいる。
あ、妹は、聖王様である葉山の神様だもんね。贖罪と鏖殺の女神ブリド様だから、関連はあるよね。
それでも、さっきまで、葉山を心配して部屋で付き添っていたみたい。
きっと気を使うな、的な事を言われて追い出されたんだろう。
それに白馬さんも、かつては自衛隊の一部の機関を通して、政府直属とか言われる特務な人達の主導の元、葉山よりは割とマイルドにそういう処置を受けてたんだよね。だから当事者とも言えるよね。
白馬さん本人は、前任者達に比べれば大した事ないって言ってたけど、あの時、だから大通公園戦の際に混ぜられた白馬さんの経験の中にあった体験って、感覚としてしか取らえられなかったけど、本当にすごい嘔吐感だったんだよ。
もう、全身から嗚咽が這い上がってくるくらいの感覚だった。
で、だからそんな白馬さんは嘘とかいうことの無い人だからさ、それ以上の目にあって来た葉山の体験ていうのはきっと僕の想像を絶するって事が安易に想像がついてしまう。
だから、きっとあの時、葉山にとって自身の死への思いは、きっと終ではなく彼女にとって葉山にとって、解放だったのかもしれないって思えば、あの時の葉山ってやけになってるわけじゃなくて、本当にこれで全てが終われるっていう喜びには理解できる気もするけど、僕は生きててほしいって思ってたから今の結果なんだけどね。だから邪魔して悪いとは今でも思ってないからね。でも、相当にギリギリで、結果、春夏さんにも甘えてしまったわけなんだから、結局僕一人では無責任もいいところで、そんな後悔にもなりきれえない気持ちは確かにあるんだ。
僕にとって、初めて当たった大きな事件で、結局僕一人では手に負えなかった問題。
それを考えただけで僕の思考は底の無い闇に落ちそうになるから、その縁に立って止まるのがやっとって想像するしかない。
そして、リビングに置いてあるテレビには、これから始まる海賀グループの経営一族の謝罪会見が始まろうとしていた。
表向きな謝罪会見。グループ傘下の会社が社会に迷惑かけてごめんなさい的な奴。
つまり、事件は形の上では万事皆解決って事になる。
今回は多くの人命が関わってることを加味して、早急に気を回してくれた雪華さんのおかげで、事件はあっけないほど簡単に解決しようとしていた。
雪華さんのお母さんである雪灯さんの実家、つまり雪華さんお母さんの実家である大柴グループの介入によって、海賀商事の一部である『基礎研究部門』は、今度こそ完膚なきまでに潰された。
つまりは、今回の事件を起こした張本人みたいな扱いになってるところ。
大柴グループでいうところの、雪灯さんの管理していた『大柴マテリアル』な感じなところね。
その部門全体が、その海賀グループの一部ではあるけど、共同体として完全に独立しているって形で、規模でいうなら、普通にテレビコマーシャルを打ってる大企業くらの大きさはあるそんな会社はあっさり解散して、そのやらかした責任は海賀グループの企業全体にも及んでいたらしい。




