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第43話【最後のサムライ、終わってるサムライ】

 「すごいカロリーだったぞ、真壁、お前、こんなこともできるんだな」


 って西木田くんはゲップして感心しながら、そんな事を言ってた。


 うん、まあ、概ねはアキシオンさんなんだけどね。


 「いい感じのエフェクトです、対戦していた相手はピクリとも動きませんね」


 って意気揚々と言うアキシオンさんだけど、うん、そうだね、動かないね。

 

 だって、真々地さん、完全に直撃だった。


 本当に一般誌における漫画の効果のように、骨とか見えそうなくらい光に包まれてた。


 普通の人間なら落雷の直撃を受けたら動けなくなると思うよ、ああ言う風に、倒れてピクリとも動かなくなるのが正解だね。


 結局、アキシオンさんが全部終わらせてしまったってわけだね。僕、何も出来なかったよ、と言うかさせてもらえなかった。


 「あの、オーナ、私が有能なのは知っていますので、そう改めて褒めていただくのはちょっと……」


 とかアキシオンさんが引き気味に言うから、褒めて無いから、エフェクトでも効果でもなかったし、ガチの落雷じゃん。


 て言うか、これ、きっと『顕現せよアキシオン!』ってやるたびに、この範囲でこの威力の雷を落としてたら相手に雷耐性でもない限り、僕はこの先ずっと敵が全滅してから剣を携える事になりかねない。


 この辺んはきちんとアキシオンさんに話しておかないといけないって思った。


 で、倒れている真々地さんを見るけど、頭とかその服から煙出てるなあ。


 本体もこんがりしてないといいけどって思って見てると、ヨロヨロと立ち上がり出した。


 よかった、生きてるよ。


 真々地さんは言うんだよ。


 「すげえ、攻撃だったぜ、まるで雷をマトモに食らったみたいだ」


 うん、その解析は正しいよ、だって雷だもん。


 「くそう、まだ、体がビリビリとしてやがる」


 と続けてだけど、まあ落雷にマトモに当たったから、そうだね雷は電気だからね、その状態認識は正しいよ。


 野太刀を杖にしてようやく立ち上がる真々地さん。完全い勝敗は決していて、もう僕がやる事って残ってないなあ。


 って思うと、


 「いえ、まだトドメが残ってますよ、折角剣化したのですから、ここは一思いに」


 アキシオンさん煩い。


 そんな僕とアキシオンさんのやり取りを余所に、真々地さんは、ちょっと未だ帯電してるのかな? 頭がボンバーな感じで、顔も所々煤がついてる、落雷にあった感じの演劇的演出のテンプレの姿をしてるんだけど、悲壮感な表情が、その演出で余計に笑えてしまうんだけど、真々地さん自身が、自分の姿の認識が無いから、しんみりとしてて、そのギャップが余計にね、ってこの姿すらもアキシオンさんの演出なんだろうなあって思うと、人類の何を学んで来たのだろうかとは思うよ。


 「結局、俺の負けかよ」


 って呟いて、


 「結局、女にも去られて、その原因だった魔王にも負けて……、ちっくしょう……」


 って呟いて、まるで空を見上げるようダンジョンの天井を仰ぎ見る真々地さん。


 もちろん言われている内容にまったく身に覚えがない。


 「涙が沁みるぜ」


 って言うから、


 「雪華さん、真々地さん顔もやけどしてるかもしれないから見てあげて」


 って言ったら、「はい」って良い返事の後、エクスマギナのマニュピユレーターに力強く拘束されてピクリとも身動き取れなくなってる真々地さんだよ。


 「うわ、この人、私より軽い」


 ってどこか羨望を感じさせる声で言うものの、その後、「今のは関係ないです」って言うからその下りは全体的に聞いてなかった事にする。


 それにしても、この真々地さん。


 初対面なんだけど、この雰囲気、どっかで感じた事があるなあ、って、明確な答えもないまま、ただ漠然と考える僕だったよ。


  

 


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