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第40話【真壁秋を出せ~!!】

 しっかり貢がれる僕を見て、葉山は、


 「だから嫌なんじゃない」


 って言うんだけど、なんだろう? 瑠璃さんと葉山の間にちょっとした軋轢を感じるのは気のせいだろうか?


 「健康面では私がサポートできますからね」


 って何故か急にそんな事を雪華さんに言われるから、「う、うん」ってなる。


 まあ、ともかく、そんな中で、僕らはこの勇者計画が順調に滑り出したことにホッと胸をなで下ろしていたんだけど、そんな時に、外の方から、


 「たのもー!」


 って声がかかるんだよ。


 ん? 誰だろ?


 この場所に来られる人間って限られてるから、まさか勇者ではないだろうし、ましてあの解散してしまった英雄陣でもないだろうに、ここに来て、この深札幌来れるダンジョンウォーカーで知らない人もないだろうなあ、って思って、表に出たら、本当に知らない人が立っていた。


 誰?


 って思ってると、その後ろに、西木田くんと、左方さんがいる。


 そして、その前に立つ、初対面の人が、


 「勝負だ! 真壁秋!」


 って斬りかかってくる。


 まあ、僕、魔王だしね、誰の挑戦でも受けては立つんだけど、あれ? 剣が出ないな?


 どうしたんだろう?


 って思ってると、凄い斬撃来た、僕は手の中にアキシオンさんを出すつもりだったから、完全に油断してて、


 「真壁!!!!」


 ってその危機を察した葉山に叫ばれてしまう。うん、葉山が危ういって思うくらいの斬撃だよ。


 ああ、大丈夫、避けられるよ。


 ちなみに、今の僕って、見た目に剣を持ってなくても剣を装備している仕様になっているんだよね。だから、これは避けるのは容易い……。


 うわ、凄い斬撃だよ、Gooooooooooooooo!!!!って来たよ、余裕だって思ったけど、ギリだったよ。


 いや、この人、本当に強いな、多分、葉山や蒼さんクラスだよ。単純な振り下ろしだけなら上いってるかも。


 「貴様、この俺の、必殺『切り降ろし』の太刀を避けるとは……」


 とか言う、この人、一体誰?


 「じゃあ次だ、今度は必殺『斬り上げ』だ!!!!!!」


 って叫びながら、未だ足元に落ちている切っ先を跳ね上げて来る。


 技の内容がわかりやすい必殺技名を申告してくれるから、避けやすくて助かるなあ……。


 「くそう! これもダメか……、ならば、必殺『胸の辺りを右から入って左から出る斬り流し』を受けて見ろ!」


 なんだろう、だんだんと必殺技名が具体的になってる。だから避けるまでもなく、フェイントを入れるだけで簡単にスカってくれる。


 「くそう!」


 とか悔しがってるけど、この人本当に強いよ。


 出立は、今時、しかもダンジョンで着流しかよ、って格好で、背もちょっと僕よりも低い。


 顔も、なんだろう、力が入りすぎてってか、眉間にシワが入りすぎて、ちょっと今の表情では判断できないけど、悪くはないよ。


 で、普通の深階層クラスの人なら、多分、この申告を受けた上ても多分避けられない。受けたら、きっとその武器や防具自体を持っていかれるくらいの斬撃。


 つまり、重くて、しつこくて、身勝手な斬撃。


 こっちの状態なんてまるで御構い無しだ。


 ほんと、自分勝手に攻めて来る。


 真面目にこんな人、この北海道ダンジョンにいたかなあ、って考えて、ほら僕って特に男の人の顔って覚えないって言われてるからさ、そんな事ないけど。


 でも、これだけ強い人なら忘れないなあ、そう思ってる僕は、この時、初めて彼に出会ったんったって事実をこの後で知ることになる。


 D &Dの斬り込み隊長。


 通り名『エンデット(終わってる)・サムライ』


 ダンジョンを離れて修行の旅に出ていた真々地(ままち) (ごう)との初顔合わせだった。

 


 

 


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