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第38話【新たなる障害敵メガオーク】

 『勇者計画』が実装されてから、順調に事は進んでいて、中階層にて初『勇者』の聖剣の利用が確認された。


 普通にモンスターを斬るなら発動しない聖剣の機能が確認できたって話。


 木下くんの報告によると、中階層での力を示す場所において、メガオークとの一対一の戦いに置いて、圧勝したって聞かされた。


 初の勇者の確認と、その能力の証明に、ここにいる僕といつものメンバー、葉山に薫子さん、白馬さんに、だからディアくんに、雪華さん、だから茉薙もいるよ。そんな顔合わせで、一号勇者誕生に僕達は声にこそ出せなかったけど、ちょっとした歓喜に包まれていたんだ。


 そんな僕でもアポロが月に到達した時の司令部ってこんな感じだったのかもしれない。とは思うよ、あんまり当時は知らないけど。


 メガオークは、中階層中盤から出るオークを元に改良された、ちょっと大型のオークで、今回の勇者計画において、特別に造られた敵であり種類。


 特に勇者との戦いの場合は強化された体とか力よりも、色々と喋って来るんだよ。


 聖剣をきちんと使えないと、


 「立派なのは聖剣だけか?」


 とか、


 魔法スキルが上手く撃てないと、


 「折角の魔法スキルも宝のもちぐされのようだな」


 いい感じで、低いいい声で足りないところとか補うところを指摘してくれる親切なモンスターなんだよ。もちろん、モンスターとしても非常に優秀で、特に欠点も弱点もないから、事実上、対勇者の為だけの各階のジョージ扱いと言ってもいい感じかな。


 ちなみに、ちゃんと倒される時も、


 「こ、これが、勇者の力か……」


 と、勇者となったダンジョンウォーカーがその力を自身を自覚できる仕様になっている。さすがだよね、抜かりがないよね、木下くん。


 とにかく、初めての勇者は確認されたわけで、僕らは順調にその計画が走り出したことを知る事が出来たんだ。


 いつもの深札幌時計台会議室で、僕らは喜びというよりは、いよいよ動き出したこの総代の計画の表れにそっと胸をなで下ろしていた。


 そんな僕の所に、そっとお茶を出してくれる瑠璃さん。


 「あ、ありがとうございます」


 と、丁度良いタイミングで来たなあ、って、一口。美味! なにこのお茶、美味!


 僕、緑茶の味なんてわからないんだけど、これ相当美味いってのはわかるよ、しかも高級品てのも。


 勇者が初めて現れた、そんな喜びも驚きも、一旦、このお茶のお陰で吹っ飛んでしまう情けない僕だけど、そんな表情をしていると、


 「鹿児島の有機栽培の茶葉だよ、魔王、口にあった様でよかったよ」


 と瑠璃さんは微笑んでいた。


 そうか、そうだね、でも、お茶にも入れ方とかあるからね。その入れ方も凄いし、完璧だからこの味なんだろうなあ、って再びすすって、美味! ほんとこのお茶美味!


 あの後、瑠璃さんはずっとここに桃さんと深札幌に住んでる。


 後、街の改造に伴って異造子の人たちもここにいるんだよ。


 今も梓さんと連れ立って、桃さんと一緒にいる。僕と目があってペコリって頭を下げてる。だからこっちもペコリだ。


 今後のこと、つまりこれからのこともあって、この深札幌の改修を希望していたので、特にダンジョン的にも問題もないから快諾してる。


 住みやすくなるのはいい事だよ。計画の端の方だけ聞いてるけど、確か図書の中に、セイコマートの図面らしき物もあったから、しかもホットシェフ付きだから、もう今から楽しみだよ。


 街の機能化計画。


 いいよね、僕に出来ることがあれば手伝うよ。


 この計画は、異造子の人達の為にもなるから。


 ほら、彼等って親が魔物って呼ばれる、つまり種類はこのダンジョンのモンスターとは違うものの、異形の人達で例を上げるなら、人に近い形をしているのって言うのであれば、初代微水様の鬼の姿に近く、ちょっと離れてるけど人らしき雰囲気のある魔物なんだ。


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