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第35話【タングステン勇者登場、守りは万全だ!】

 呆れてるとも言えなくもない声色で、


 「いいんですか? もう、最初の勇者とやらが搬送されて来ますよ、お相手の準備は整っていますか?」


 と、再びアキシオンさんに見かねた様に言われるんだけど、


 「え? 搬送?」


 って思わず聞き直してしまった。


 「台車に乗せられて、まっすぐこちらに向かって来ていますので、言葉としては『搬送』が適当かと、魔王城がユニバーサルデザインで、横にスロープがついているのも、すでに調査済みだった様ですね」


 まあ、この辺のデザインは、一応北海道ダンジョンってNPO法人を名乗ってるからさ、中にある施設もそれに道庁も政府(国土交通省)も煩いんだ、しかもバリアフリーの方は、厚生労働省とかも口を出して来て、やれスロープが長すぎるだの、勾配が安定していないだの、これでは、有効な幅が無いだろ、とか色々言われた。散々言われた。


 特に税金を使う分けでもないのに、お役人の人たちは、「せっかくの魔王城です、いい建物にしましょう」


 って信じられなくくらい力を入れて来てくれて、あくまでデザインと設計はこっちで、手直しを指示されて今の形になった。


 照明の方法とか明るさまで指摘されるとは思わなかったよ。


 でも、できたら、足元照明とかさ、光源がしたからって、確かに迫力はでるね、こう言う建物によりところの雰囲気とか演出とか、僕らはわからなかったから、完成した今ではちょっと感謝はしている。


 なので、魔王の座については間接照明で下からって形で、こんな僕でもなかなか迫力が出てるよ。


 そんな訳で、僕は魔王の玉座に座り、エグエグ泣いている日向 ララさんを隠して、再び勇者の到着を待つ。


 葉山が真横にいて、その反対になぜか薫子さんがいるんだよな、いいのかなギルドの方は? って心配してしまうけど、本に曰く、「こっちをよろしく頼むと言われていてな、特に葉山から目を離すなと事付けられているんが」って言ってるから、きっと雪華さんがそう言っているのだと思うから、これはこれでいいんだね。


 また、蒼さんは見えないよ。


 どっかに隠れてる。きっと天井付近かなあ、その配下の秋の木葉の人たちも数名、この謁見の間に潜伏している。


 さっき来た此花さんの椿さんは、台座の端っこにいる。牡丹さんはララさんに付いているんだと思う。姿が見えないから。


 ともかくそんな布陣で僕らはその搬送されて来る勇者を待っていたんだ。


 つまり、僕らの用意か準備万端整っている。


 ようやく、扉が開いた。


 すると、扉を開けた人、女子だね。そのひ二人はそのまま扉を持って待機。両引きの大きな扉に、女の子が二人張り付いている感じ。


 で、その問題の勇者は、本当に台車に乗せられて来た。


 ホームセンターとかでも大きな荷物を買ったら貸してもらえる普通の台車。


 きっと、馴染みのない人でも、大きなスーパーとかに荷物を搬入する業者のの人みたいが普通に使う、台車の上に、勇者が一人乗って、そのまま、押された慣性の力を利用して、コロコロと魔王の台座、つまり僕のいるところまで転がって来るんだよね。


 ここの床、摩擦とか少ない大理石仕上げだから、それほど勢いもないのに、カーリングのストーンみたいにこっちに近づいて来る。


 で、乗っている勇者をよく見ると、普通の男子っぽいけど、人の姿はしているものの、近くに来ると一発で、人じゃないのがわかる。と言うか、人の変化した姿かもしれないけど。


 「金属?」


 と葉山が目をじっくり凝らして言う。


 「タングステンだよ、あれ、重くて、硬い金属だよ」


 一応、葉山も『鑑定』スキルがあるんだね。あの独特の言い方の角田さんとか懐かしいなあ、って思い出していた。


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