表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1050/1335

第26話【遊撃する少女はスキル酔いの傾向?】

 ひとまず、桃井くん達が合流してきて、今後のためにと、英雄陣という新らしい団体の力を見るために、今回の桃井くん達の奇襲と、その様子を記録していたというので、それを見ていた。


 撮影者は桃井くんで、いやサーヤさんかな? 


 スマホで撮っていたそうだ。だからみんなで覗き込んでた。


 それほど長い動画ではなかったものの、ありようってのはちゃんと見えてて、最後は、英雄陣は撤退して行った。というか全滅??


 ちなみに、西木田くんを含む、D &Dの人のほとんどが樹脂化もしくはゾンビ化していた。


 なんか以前のトラウマ思い出してしまったよ。


 結論から言うと。


 まあ、一言で言うなら……


 うーん。


 なんて言っていいのか……


 はっきり言って…… 


 端的に言うと酷い有様だ。


 動画の冒頭は、英雄陣の破竹の勢いで、D &Dの砦を攻略している場面。時折、桃井くんが無駄に写り込んでるから、これサーヤさんのスマホかな? そう言えば買ったって言ってたもんね。


 確かに強いね、英雄陣の人達。


 特に土岐がやられたって言ってた女の子、まるで瞬間移動のの様に戦場を動き回って主要な敵を斬りつけてる。


 瞬間移動ってか、多分あれは、超加速かな? 一応は動線が見えるから、多分、痕跡だろうけど。


 あの速さなら、普通に強い土岐がやられるのも無理はないかな?


 でも、


 「土岐のスキルって防御的スキルでしょ? 守れば負けはなかったんじゃない?」


 って尋ねたら、


 「一度食らっておきたくてな、致命傷は負わないように守ってはいたんだ、奴の攻撃力を自分のダメージで測りたかったんだよ」


 っていってる。すごいな、土岐って、ちゃんと後の事を考えた上での負けだったんだ。


 って言うかクロスクロスの八瀬さんの方面の人って、こう言う人多いなあ。


 転んでもただではおきないって言うか。


 「どんな感じ?」


 「普通に強いな、でも、変化感情があったな、まるで斬撃酔いしてるみたいに……」


 斬撃酔いかあ。


 以前、僕はスキルジャンキーの件で、辰野さん、角田さん、麻生さんから聞いた事があるんだ。


 つまりは刃物の効果に酔いしれる人って事らしい。


 物を斬る、人を斬る、モンスターを斬る。


 結局は自分の持つ戦闘力によって、他者を支配以下での扱いをするのに酔ってるって事。


 簡単に言うなら、相手の命を刃物で奪う行為に酔いしれるって事。


 顔を見ると、普通に見えるんだけどなあ。


 見た目に蒼さんぽいね、体の大きさもだけど、どこか上品な感じで、動きもいい。蒼さんよりちょっと髪が長いかな。


 年相応に可愛い顔して……。


 なんて思ってたら、


 葉山がこっち睨んでた。


 「なに?」


 「別に……」


 あからさまに不機嫌になるような態度だったので、


 「普通に可愛いって思っただけだよ」


 「ふーん」


 一瞬、だけどその表情に暗さと言うか、強い疑念が入り込む感じが察したので、


 「でも、葉山の方が美人でしょ」


 と言うと、


 「ちょ、ちょっと、いきなりなに言ってるの!」


 とか、妙にハシャいだ笑顔になって言うから、変な誤解方面に落ちるのは回避できたみたいだ。よかった。


 一度、こう言う疑念を持たれると長いんだよなあ、葉山。


 最近、葉山とか見ていて、色々と気付かされたんだよね。


 女子の誤解って、人にもよるけど、葉山みたいなタイプって誤解を解く方向の努力とかって無駄なんだよ。


 一度誤解をされてしまうと、まるでガラスにヒビが入ったみたいに、押しても引いてもどう手を付けたって、深く深く亀裂が進む事はあっても割れ始めたガラス自身が回復する事はないんだ。


 だから割れたガラスとは全く異なる物質で埋めてしまうって言うのが一番。


 つまり誤解に対して、全く異なる新しい事実を持ってきて、それが、喜ばしい内容なら、ほとんど完璧に亀裂は埋まる、それ以上は割れない。運が良ければ強度(信頼)も増す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ