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第25話【強襲!! 英雄陣! D &D最大の危機!!】

 だから土岐の方はともかく、僕はちょっと失念していたんだ、そうだね、僕らの勇者計画に乗っかってない強力なスキル持ちは独自にここまでたどり着く可能性を忘れてたよ。


 だから僕が考えていたよりももっと早く、ここに来るダンジョンウォーカーはいるって事だ。


 そして、そんな事を考えてると、蒼さんが、


 「お屋形様、強襲にございます」


 って言い出す。どこからか連絡が入った見たい。


 え? もう来たの?


 すると、


 「ここではございません、深層階、一階の風の砦にございます」


 え? つまりはD &Dの本拠地が襲われてるって事だ。


 「襲撃しているのは英雄陣の一部、です、このままでは時間の問題の様ですが……」


 戦ってるのは、今回の世代交代で代表になった左方さんと、それを支えてる西木田くんかな?


 「水島と紺もいるそうです」


 そうか、彼ら、辰野さんが抜けた後のD &Dが安定するまで手伝う様な事、言ってたもんなあ。


 「いかがされます、お屋形様?」


 「いや助けに行くに決まってるじゃん」


 って即答するんだけど、


 「魔王が表立って、一団体の味方できるわけないでしょ?」


 って葉山に言われる。


 ああ、そうか、あからさまに味方したら、庇った方の相手が魔王の仲間になってしまうものね。


 「私と蒼ちゃんで行くから」


 そう言う葉山に、頷く蒼さんなんだけど、


 「いや、それもダメだろう、お前たちもすでに正体が知られている」


 と薫子さんが言うんだ。


 そうだね、有名人だよ、彼女達。しかも二人とも僕の仲間って知られてるしね。


 「だな、二人とも、真壁の奥さんだからな、その奥さんが二人揃ってってのは魔王自らと変わらないだろうな」


 とか、土岐が言うんだよね。いや、何言ってるの?


 って言おうとすると、


 「そっか」


 って葉山が呟いて、蒼さんも納得の表情なんだけど、なんだろう、納得してないの僕だけかなあ?


 「どうする? 今からどっかの団体にでも掛け合って何人か用意するか?」


 って白馬さんが、珍しく焦ってるみたいに言うんだけど、多分、それじゃあ、間に合わない。


 「まあ、こう言うこともあるだろう、ダンジョン内は、弱肉強食の世界だ、本来、有力団体同士が争いあうのに理由なんていらないからね、今までの方が異常だったんだ」


 って木下くんだ言うんだけど、確かにそうなんだけど、でもなあ、西木田くんや、左方さんにはお世話になってるからなあ。


 それに今のD &Dは、辰野さんをはじめとして、強い人が抜けてしまったばっかだから、この現状を見て手を出すってのは、ちょっと卑怯っていか、まあ、それは戦略的にあたり前か……、って思うんだよ。


 でも、なんだろう、僕的にこの状態を看過できないって、そう言った焦りばかりが出て来るんだよなあ……


 なんとかできないかなあ……


 「秋様、僕をお忘れですか?」


 最近、聞いてないなあ、って声がしたと思ったら、僕の陰からヌルヌルって感じに、現れたのは桃井くんだった。


 「うわ! びっくりした!」


 と、僕自身の反応も久しぶりだね。


 しかも一緒にサーヤさんも出て来るし、この夫婦、僕の影の中にいつからいたんだろ?


 「ご無沙汰しておりました、魔王様」


 と深々とお辞儀するサーヤさん。相変わらず綺麗な人だなあ、って久しぶりに見てそう思った。


 そして、桃井くんは言う。


 「お忘れですか、秋様、あなたは魔王様です、つまり、このダンジョンの全てのモンスター、魔物を意のままにご命令になれるんですよ」


 って言うから、


 「いや、でも、D &Dを守る為に、モンスターとか使ったらダメでしょ?」


 って、極々当たり前の事を言うと、


 「ええ、そうですね、どちらか一方を味方するのは流石にとは思います」


 とサーヤさんが言った。


 ん? どう言う事?


 と感の悪い僕は一瞬、考えてしまうけど、


 「つまり、両方に襲いかかればいいのよ、だって、モンスターなんだから」


 って葉山が言うから、


 「ああ!」


 ってなる。


 「え? じゃあ、D &Dも襲ったって事?」


 すると、桃井くんとサーヤさんは、とってもいい笑顔で、


 「はい、壊滅させました」


 と言った。


 すでに終わっていたようだった。


 まあ、そうだね、それが手っ取り早いって言うか、いきなり急にモンスターとかって、

それもおかしくないかな?


 って思う僕に、桃井くんは言うんだ。


 「秋様、ここは北海道ダンジョンですよ、モンスターが出るのは常にございます」


 って、すごくいい笑顔、


 うん、そうだね。


 確かにね。


 納得だけど、助けようって思った心情だったから、なかなか気持ちが追いつかない僕だったよ。

 

  

 

 

 


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