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第8話【最近のダンジョン事情】

 本日の予定は終了して、僕らのパーティーは、深札幌に帰って来た。


 今、ここが僕らの本拠地になっている。


 一応は日課としては、ダンジョン内の決められたルートをグルッと回って、異常の有無をかを気をつけてる。


 それでなくても、最近人が増えて、新興組織が色々と立ち上がって来ているんだよね。


 で、持って、真っ直ぐに深階層に来てくれればいいんだけど、グループ同士で問題とかも起しているから、時には積極的に仲介に入って問題を潰している時もあるから。


 この辺は、ダンジョンの安全と自由を歌ってるギルドには出来ないこともあるので、その辺は魔王として積極介入させてもらってる。


 中にな、本気で、このダンジョンの覇権を取ろうなんて組織もいるからビックリだよ。


 大抵、強力なスキル持ちが中心になってる場合が多くて、北海道外から来た人が多いんだよね。


 例を挙げると、『英雄陣』って言われる家がお金持ちで、ほとんどがスキル持ち集団とか、徹底的にモンスターを排除しようとする『光の教団』なんかが、割と危ない集団なんだよね。


 強い人たちでやり合えばいいのにさ、手当たり次第に自分の力を誇示しようとしてるんだよね。


 この前も、どっちの集団か忘れたけど、深階層にあるセイコマートを自分たちの諸点にしようとしていた節があって、まあ、そこを利用して集まるくらいならいいんだけど、他のダンジョンウォーカーを排除しようとする動きがあって、仕方なく介入して問題を解決したよ。


 力のあるダンジョンウォーカーは大歓迎なんだけどさ、勘違いしたのはちょっと困るんだよね。


 ギルドの八瀬さんと雪華さんとも話し合ったけど、最悪、排除の方向でも考えている。


 そう考えてしまえるくらい内容が酷い。


 真希さん曰く、人が増えてくればそれだけおかしな人間も混ざってる。


 中には、この北海道ダンジョンが犯罪行為すら許されていると勘違いする人間もいて、そういう者への対処の為にもギルドがある訳で、だから、今の現状は、その拡張する環境にギルドが追いついていないのが現状な訳で、いい感じに人員と組織が対応できるようになるまで、ダンジョンの平和を願う僕としては手伝って行こうと思う所存な訳なんだ。


 「ほんと、アッキーには迷惑かけるべ、お礼にお姉さんチューしてやるべか?」


 いや、いいです、そういうの。


 ティアマトさんに聞いたけど、お姉さんって年齢でもないんだよな、真希さん。


 実は母さんより年上だったって事実もわかったし。


 このダンジョンをなかった事にできる力を得た時には、もう歳も取らなくなってたらしいし、つまりはファンタジーでいうところの、エルフな女子高生なんだよ。


 見た目に騙されるわけにはいかない。


 つまりさ、お婆ちゃんが孫に……


 そんな思考が脳裏をよぎった瞬間に、踵が落ちて来たよ。脳天に。


 「よく、今の避けれたね」


 って葉山がおかしな感心をしてる。いや、だって食らったら死ぬよ、あれ。


 「今、アッキー、何言った?」


 いや、言ってないし、思っただけだし。


 そうか、思うだけでもダメか、覚えとこ。即死攻撃が来るんだな。気をつけよう。


 今は、大通りのオフィス街の一室というか1フロアを借りてるんだけど、あ、もちろん、深札幌の方だから、家賃とかないよ。場所は無料で借りている。で、椅子とか机とか、PCなんかはみんな瑠璃さんが用意してくれたんだ。


 魔王様への貢物です、って言ってた。


 簡単な調理器具や、保存の利く食料もあるし、数年ならここにこもってもいられそうなんだよ。


 「お疲れさん」


 って僕らを迎えてくれるのは、木下譲二(きのした じょうじ)くん。


 この本拠地を僕らが留守の間、守ってくれてる人。


 ちなみに、人じゃないよ、普通に高校生くらいに見えるけど、彼、こう見えてアンデットなんだよ。


 ちょっと変わってるのは、このダンジョンや、異世界由来の者でなくて、この土地で人間が普通にアンデットに変わったって稀有な例な人。


 なんでも、死んでからこのダンジョンに来て、アンデット化したんだって。


 つまり死体でこのダンジョンに入って来た人、どういう方法で来たのかはいまだに教えてくれないけど、ともかくそんな変わった人。


 しかも、初対面で、「久しぶり、元気してた?」って言われて、あれ? また僕の記憶にうまい具合に封印された人か? って思ってたけど、その挨拶を僕以外の葉山を含むみんなにしてたから、あれ? みんな知り合いなんだ? って思ってたんだけど、みんな初対面らしくて、よくよく聞いてみると、この木下譲二君こそ、あの浅階層のジョージであり、中階層のジョージであり、そして深階層のジョージだったんだって。


 本人曰く、同一異体であり、自分のアンデットの部位を利用して描くジョージを作って、今も、ゲートの位置にいるんだそうだ。


 ちなみに、このダンジョンのモンスターの設定とデザインはほとんど彼の作った物らしい。


 経緯としては謎なんだけど、どうもキリカさんが同族を造ろうとして、あ、キリカさんって、運営側おアンデットの王でモンスター側でバンパイヤロードな、深階層で温泉守ってる、葉山が言うところの『青色吸血鬼』のキリカさんね。


 そのキリカさんが初めての眷属としての人間が彼、譲二君なんだってさ。


 だから正確にいうなら、アンデットになったのはキリカさん起因で、問題なのは死んでからこのダンジョンに入った方法なんだよね。本人もその辺は覚えてなくて、ともかく、原因は話したかがらないけど完全に死んでからこのダンジョンにやってきたっていう謎な人なんだ。


 まあ、ダンジョンのある北海道だから、なにがあっても不思議はないんだけどさ。


 もしかしたら、本当にこっち、だからダンジョンとは関係の無い、北海道っていうか現実世界由来の正銘のモンスターなのかもしれないって、本人は言ってる。


 ちなみに、この件についてキリカさんに尋ねると、あまり詳しくはわからないって感じで興味も無さげで、ただ覚えているのは、「血不味!」って印象で、こんなに美味しくないなら、もうこの後、一生血は吸わないくてもいいやって思えるくらい酷い味だったみたい。


 だからキリカさんは、今は、あの温泉騒動以来、セイコマートのフレッシュ牛乳にハマってるしね。


 でも、一回だけ、


 「殿下の血を試してみたいんですが……」


 って言って、それは葉山に阻止されてたけどね。


 ともかくそんな経緯のある譲二君だったりするんだ。


 人でありながら、ダンジョン側の人。


 とてもいい人だけど、どこかちょっと変わった人なんだよね。


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