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第1話【魔王最大の危機】

 学校。普通に放課後残されて、なんか先生に意見された。


 今、僕教室に居残りしてる。


 つまり、放課後残って指導って感じ。


 先生の言うことをサックリまとめると、


 「お前、魔王とかやってる場合じゃないだろ?」


 と、端的にすると、そんな話だった。


 ほら、僕の行ってる学校って、中高一貫校なんだけどさ、時折、ひどく成績の悪い生徒とかいと、たまに高校生になれない子もいるらしくて、今の僕がまさにそう。


 もうね、ギリギリの線をこの前突破したらしいんだ。下の線ね。


 ほら、蒼さんの家に行った時も、結局2週間以上も公休って形は取れたけど、学校休んでしまって、臨時で、自宅学習後のテストも受けた結果も散々だったんだよ。


 「本当にすいません、ちゃんと勉強はさせていましたけど、思いの外、テストには反映されなかったみたいです」


 って僕の横では何故か葉山が先生に謝っていた。


 いや、っていうか、なんて君がここにいるの? 呼び出されたのは僕だけなんだけど。


 って、普通に横にいるし、そして先生も、


 「葉山がついていながら……、もう少ししっかりしろよ」


 って普通に怒られてる。僕じゃ無くて、葉山が。


 で、怒られてる葉山も居た堪れないって顔してるし、そんな葉山に、先生が、


 「なあ、葉山、真壁の魔王を代わってやることはできないかな?」


 確かに葉山ってクラス委員長だし、今回のテストでも、薫子さんと一位二位を争ってたし、彼女達の話によると、もう高校生とかの問題とかも齧ってるみたいだし、確かになあ、って思うよ僕も、案外いいかもしれない。って思う僕を見る葉山の目がどこか不安げで、


 「流石にそれは……」


 と表情も硬く言う葉山に、


 「まあ、そうだよなあ、でもな、このまま行くと、どっちかって事になりかねないんだ、お前、三つもこなせるほど器用じゃないだろ? 最悪一つもってことになりそうで、先生は心配しているんだ」


 とか言われるけど、僕としても魔王とかも初めての体験だし、どう答えていいのかわからないので、


 「はあ……」


 と言った、返事とも取れないよう、そんなため息にも近しい言葉が出るにとどまる。

 最近特に思うけど、先生って、人にもよると思うんだけど、特に僕の担任の先生は、若い男の先生なんだけど、とても生徒の事を見ていてくれてて、一度だけ僕がクラブにも部活にも入らないから、クラスの委員の割と軽い奴をやってみないか? 的なお誘いもあった。


 でも、その時はダンジョンに入るのが前提で勉強頑張っていたし、その事情を話すと、ちゃんと理解してくれて、やりたいことがあるならいいよ、って、それ以上はしつこく言われなかった。


 先生曰く、生徒にはたくさんの事を上手に処理できる葉山みたいなのもいれば、僕の様に、容量的に2個くらいが限界な生徒もいるし、一個の事を集中した方が良い生徒もいるんだって。


 で、今回、僕って、学校、ダンジョン、魔王で、3個になってしまってるからその負担を心配しているらしいんだ。


 しかも、新しく増えたのって魔王だから、先生も経験とか無くて、上手に力になってやれない、的なことも言われているんだ。


 でも、最終的に、この学生として、絶対に後悔のない様に力にはなりたくて、今回はこんな形での相談ってなった。


 だいたいさ、アキシオンさんも何やってるんだよ、って話だよ。


 あの人(剣)、全知全能な人だから、テストの問題見た瞬間に、もうダメだ、って思って、そうだ、アキシオンさんに頼もう、教えてもらおう、ってなんども心の中で呼び出していたんだけど、そんな僕の召喚に対して、アキシオンさんは、僕の心に響く様に「シーン」って言葉を返して来るんだよね。


 なんだよ、「シーン」って、わざわざ言うって事は、僕の言葉は聞こえてるけど、その要求には答えたくないって事なのか? にしてもさ、できないなら出来ない、したくないならしたくないって言えばいいのに、なんだよその返答は?


 って一瞬、怒りに我を忘れてると、同じくテストを隣で受けてる葉山から、


 「何してるの?」


 って、スッゴイ怖い顔で言われた。


 その顔には、


 ここ勉強したでしょ? 昨日もやったよ? 今、便利なドラ●もんみたいな剣を使おうとした?


 って、あまり空気の読めない僕でも、その表情を読んでしまうくらい怒ってた。


 目が怖かった。


 ほら、僕、女の人が怒ってるのに逆らえる訳もないからさ、その場では反省はしたんだけど、同時にほんと、アキシオンさん使えない! って侮蔑を履いたら、ああ、喜んでる。何もしてくれてないのにご褒美あげてしまったよ。


 そして、散々な結果な訳何なんだ。


 テストの後に葉山もさ、


 「確かに、そんな便利な機能とか使えるなら、私も誘惑に駆られてしまうかもしれない」


 そう言って認めてくれてた。


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