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第98話【爆誕!!北海道魔王!!】

 僕は雪華さんに誘われるがまま、その長机の真ん中に着席、両側に、雪華さん、葉山がそれぞれ着席して、僕の後ろには辰野さんと一心さんそして、机の端にはギルドのみんなとかD &Dや此花姉妹。


 「ここに来ているマスコミの方はこれで全員ですか?」


 と雪華さんが大きな声で聞いた。


 僕の前には何本もマイクがある。


 「着席願います、こちらからの発表後質疑応答は受けますので、皆様の沈黙を持って宣言を行います」


 と葉山。おお、なんかどっかの委員長みたいな真面目な顔だよ、って委員長か、いいのか。


 シンと静かになった大通り公園で、僕の前にそっとマイクが置かれる。


 自分の持ってきたマイクを近づけて来るマスコミの方もいた。


 僕は、雪華さんかメモ紙を渡される。


 えーっとなになに?


 まず自己紹介をして、そして、隣にいるのが愛妻の旧姓 河岸雪華です……、読んでて言葉を失うと言うかまだ何も喋ってないけど、びっくりする僕の手から、メモ紙を奪って、


 「何言わせようとしてるのよ!」


 と怒り心頭の葉山だった。


「ごめんなさい、間違えました、こっちです秋先輩」


 と新しいメモ紙を渡される。


 こっちはさっきのと違ってびっしり書いてあるね。


 これ、読めばいいの?


 先んじてチェック入れる葉山、頷いてた。これならいいよって顔してた。


 僕は読み上げを開始いする。


 「この度はお集まりになったマスコミの皆さん、並びに各メディアをご覧になっている皆さん、はじめまして、この度、北海道ダンジョン魔王を宣言した真壁秋です、この度、北海道ダンジョンは、ダンジョンを守るために防衛戦闘をしました。その結果、無事、北海道ダンジョンを含む、この北海道を守る事が出来ました、一人の犠牲者もいないはずです、これは私達の完全勝利であり、今後、また同じような事があれば、再び守ります、これは事実に基づく結果であり、同時に証明でもあります。つまりこの地は北海道ダンジョンを含む北海道の地にある生命、財産を守っていると言う事です……」


 ちょっと待って……。


 「どうしました? 続けてください」


 って雪華さんに言われる。


 いや、だって、この先読むの?


 って今度は、葉山の方を見るけど、OKって言わんばかりに頷いてる。


 「早くして下さい、魔王様!」


 と机の下から、今度は蒼さんが急かしてくる。蒼さんってこんな表情するんだなあ、って僕の膝のあたりから出す顔が凄い興奮してるんだよ。


 いや、いいのかなあ、これまずくない、だってさ……


 「いまだに、私の力を疑うなど、さすがですねオーナー、分かりやすく、今、この地を照らしてる天体でも破壊しますか?」


 いや、それじゃあ魔王様じゃん、闇に包み込むってそのものじゃん。でもいいのか、

そっちの方が……、やっぱだめ、一日の日照時間って大切だから、農家さんとか大変だから、普通の人だって洗濯物とかあるからね。


 「大丈夫ですよ、何があっても対応できます、ですから、今の注意喚起はもっと激しく罵っていただきたくお願いします」


 とか言ってる、ダメだアキシオンさん、本当に色々ダメだ。


 でも、アキシオンさんがそう言うなら、って思って、それにこれは今後、僕のためにも必要な措置かもしれないって思うから、ここは乗っからせてもらうよ。


 これから先、僕は必要と思うものを取り戻すから、そのためには、例の落ちてくる異世界をなんとかしないといけなくて、それには邪魔する人とか物とかなるべく少ない方がいいから、まだ方法とかもわからないけど、絶対に取り戻すんだって、なんの根拠も無くそう思ってる、いや決心しているんだ、あの日からずっと、僕は絶対になんとかしてみせるよ。


 その為の道なんだ。


 だから僕は言った。いや宣言した。


 「よって、北海道は僕のものです」


 流石にこれにはこの急拵いの会場も騒めく。


 「先ほどの宣言による北海道ダンジョン魔王の宣言を破棄、ここに『北海道魔王』を宣言します」


 ざわめく会場、いや、驚嘆してるのかな?


 横では雪華さんが拍手を、葉山も、他のみんなもそれに続いていたら、いつの間にか会場もそんな空気になって、拍手喝采に沸く。


 いいんだ?


 え? 大丈夫そう?


 いいのかな?


 半信半疑だけど、なんか世界に許諾されそうな勢いは、このまま大きな世論となって、僕は本当に北海道魔王になってしまった。


 僕は北海道征服に成功した。


 でも、だからと言って何をするつもりもなく、明日は学校だから早く帰ろうとは思ってる。僕、結構学校休んでしまっているから、補習とかあるんだよなあ。

  

 

 


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