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第80話【倒した敵の安否を気遣う尊さ】

 あー、でも今、ここで襲い掛かれると、後ろの、さっき僕を心配してくれたお姉さんも巻き込んでしまうなあ、って思った、だって、上級曹長さん、かなり興奮していてもう周りの事見えてないって感じ、完全に自分の暴力に酔ってるみたいだ。


 「そろそろ倒すけど」


 ってアキシオンさんに言うと、


 「では、また公園中央に、世界中にその姿を、その瞬間を見せましょう」


 とか言うから、


 そのまま、彼女から離れて、僕はその上級曹長さんの方へ向かう。


 若干、公園の真ん中とは言えない位置だけど、まあいいや、全部のカメラから僕は映されているらしいのでアキシオンさんからはOKが出てる。


 そのアキシオンさん途中、急に重くなったりするから、歩く速度も疎らでゆるくて、片足引きずってるように見える感じが演出らしいんだ。


 今頃、この放送を見ている人は手に汗握っているらしい。


 僕と上級曹長さんがの距離は詰まる。


 やがて、大きな体格の上級曹長さんの距離になると、彼は言った。


 アキシオンさん訳「次でぶっ潰してやるぜ」


 だそうだ。今では、よくも悪くも前に横に振り回す暴力は、今度は下に叩きつける力に変える見たい。手を組んで振り上げる。自分の上背と体重を生かした確実な技だね。普通なら頭か背中にかけて叩きつけれて、その勢いで地面にも叩きつけられておしまいになる技、圧倒的な筋力と体重差を生かす、単純だけどこれ以上ない技だね。


 斬っちゃダメだよ、あと、打撃としても深刻なのはダメだからね。


 とアキシオンさんにもう一度、釘を刺す。そしたらアキシオンさん、


 「『いのちだいじに』ですね」


 と言ってから、


 「精神に致命的な傷を与えてゲシュタルト崩壊させる手もありますが」


 とか言い出す。ダメダメ。


 「こんな戦いでさ、精神崩壊したら最悪じゃん、まして死ぬなんてあってはならないんだよ」


 と言ったら、アキシオンさんは、


 「それはこのダンジョンとの盟約ですか? 特に取り決めていたわけでも無いのに、オーナーがそこまで他者を大切にする意識が意味不明です」


 って言われた。


 まあ、そうだよね、普通は敵の命なんて、って思うんだ。


 でも、だからこそ、春夏さんが消えて、僕がここにいるって意味なんだよ思うよ。


 たかだか、意識が違うから、世界や成り立ちが違うから、まして、僕を真剣にぶっ殺しき来ようとしているから、なんて下らない理由で殺していたらキリがないじゃん。


 まるでハンマーみたいな上級曹長のナックルと腕。


 まあ、僕には当たらないけどね。


 当たる前に体を前に出して、打点を交わして、持ってたアキシオンさんで、上級曹長の顎をコン、って叩いて、上下に頭を揺らしてみた、首は太いけど、まあ上下なら関係ないしね。


 そのまま、僕を打ち下ろしながら、上級曹長は前のめりに倒れる。


 なんか、本来敵なはずの周りの兵士さんたちから歓声上がってるし。


 そしたらアキシオンさん、


 「倒れた上級曹長の脈を当たって下さい」


 とか言われるから、


 「いや、流石に殺してないし、気を失ってるだけだよ」


 って言ったら、


 「早く、カメラが向いているので急いてください、倒してしまった相手の生命まで気をかけると言う行動が尊いのです、首の血管を当たってみましょう」


 って言うから、仕方なく言われた通りにする、そして、呼吸をしているかどうかも確認したら、「衛生兵!」と僕の声が怒鳴って、すると、この上級曹長さんを心配していた人が数人掛けてきて、その中に衛生兵の人が、無事の有無を確認した後に、4人くらいで引きずって連れて行ってします。


 顔と体つきは怖いけど、みんなに好かれているんだな、アル上級曹長。運んで行くみんなの顔がすごい心配そうなんだ。大丈夫、気失ってるだけだよ。


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