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第59話【持ち出されたマテリアルソード、全ては計画の上に…】

 僕と混ぜられたことによって、白馬さんが、ちょっとお調子者に見えてくるのは僕が混ざった所為か? じゃ、何? 僕、ただのお調子者って事?


 だめだ、今はそんな事を考えてる場合じゃない。


 落ち着け、いいんだ、それは後でゆっくり考えればいいんだ。今は考えるな。


 ともかくだよ、確かに自分と向きあう、僕の力を手にいた人と向き合うってのは、こんなに危険なものかって改めて感じたね。


 もう、本当に恥ずかしさの前に心が爆発しそうだもの、体を霧散させてしまいたいもの。


 それはともかく、白馬さんの攻撃は入らない。


 でも、だからだと思うけど、こっちの攻撃も入らない。


 良い感じに拮坑してるけど、でも……。


 僕と白馬さんの攻撃の先端が当たる場所の音が変わり始める。


 そうだね、つまり、僕は白馬さんの銃剣付きの小銃に対しての硬さに対応してる。


 だから、この武器を僕は斬れる。


 同じ技術、でも使う武器は違う。


 体格差とかあるかもだけど、単純に武器の優位性は動かない。


 僕の剣が、僕の剣として能力を発揮するなら、こんなの最初から勝負にならない。


 そして、それを知らない白馬さんでもないのにって思ってしまう。


 「なんだ? 自分の技能と向かい合っていても余裕か?」


 とか言ってる。


 だからああ、余裕か……、って思った。


 まだあるなあ、白馬さん、何かを隠してる。


 つまり、この戦いをひっくり返せる何か新しい物を持ってるのがわかる。


 そして白馬さんは言うんだ。


 「なあ、真壁、お前の武器なんだが」


 一回、押して弾いて、距離を取る白馬さんだよ。良いよ付き合うよ。


 「良い武器だな、だから俺もそれが欲しいんだ」


 って言った。


 本当に何を? って思った。


 すると、人混みの中から、たくさんのマニピュレーターが突然白馬さんを襲う。


 あれって……?


 「秋先輩! 早く、この人を倒して!!!!」


 って、突然、報道陣のいるあたりから姿を現した雪華さんが叫んでる。


 何事? って思って見てると、その隣に雪華さんのお母さんがいるんだ、そっちは楽しそうに微笑んで元気よくこっちに向かって手を振ってる。


 そして雪華さんは叫ぶんだよ。


 「秋先輩、母さんがごめんなさい!」


 いや、特に謝られるような事されてないんだけどなあ、って、何を突然って、色々混乱していながらも、吹き飛んだ白馬さんの方を見てるんだけど、白馬さんの周りに、自衛隊の仲間の隊員さんが集まってて、何やら話ししてる。ああっと、白馬さん普通に立ち上がるからダメージなさそうだなあ、って、お? 武器変えたぞ???


 なんだろう? 僕は思い切りガン見してしまう。


 いや、形はさ、大剣なんだけど、そうだね、刃も広くて、見るからに重厚そうで、迫力があるんだけど、この手の武器はダンジョンでは珍しくも無いからさ、でも、なんだろう、僕の手からやってくる感覚に僕の体がちょっと震えた。


 いや、だって、さあ。


 見たことのある独特の黒色の刀身だから。


 雰囲気といい、その出で立ちといい、持っている独特の感じと、それを伝えようとする、その剣からやって来る意識みたいなものがあってさ。


 あれって……


 すると、その答え合わせを始めるように、雪華さんが僕に向かって叫ぶんだ。


 「マテリアルソードの3本目、フランベルジュ型は盗まれてなんていませんでした!」


 なんて、今、その話って思えないのは、僕が今、白馬さんと、いや、その剣と対峙しているから、だから同じ話だってわかってる。


 「3本目のマテリアルソードは、譲渡されました、これは非合法です、だからかあさんは盗まれた事にしたんです」


 と言ってから、少し言葉を選ぶように言う。


 「秋先輩の手にあるマテリアルソードも、葉山先輩に持っているそれも、みんな母の計画だったんです」


 と言ってから、


 「そうよね、母さん」


 と雪華さんに確認をせっつかれて、


 「え、ええ、そうなの……、ごめんね!」


 ってこっち向かって叫んでた。


 その雪華さんのお母さん、雪灯さんの表情がなんか凄い事になってて、恍惚な、もう常軌を逸した喜びに包まれてる感じ? だから『ごめんね』が全然どこにも響かない。


 そのお母さん、


 「雪華、どうしよう、もうすぐねこの長くて苦しくて、もう、何度もダメだって思った研究に結果が出るのよの」


 と娘である雪華さんに向かって言ってた。


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