第1話 隣に立つ人
始まる!
【うづき視点】
私は1枚のアサルトウィッチのカードを持って帰ってそれをスリーブに入れてじっと見ていました。
「綺麗なイラスト」
私はそう言ってただそのイラストをじっと見ていた。
コンコン!
私の部屋にノックを誰かがしてきた。
「はーい!」
私はドアを開けた。
部屋の前に立っていたのは兄の環士兄さんでした。
「どうしたの?兄さん?」
私は兄さんに聞いた。
「ああ、今日バイトだから晩飯いらないって言おうと思ってな」
兄さんはそう私に言った。
「うん、わかった」
私はそう言って部屋で本を読むことにした。
ーーー19分後ーーー
私は本を読み終えてカードをじっと見ていた。
カードに描かれている女性は両手に花を持ち優しげな表情をしていた。
するとカードがいきなり光始めた。
私は両目を閉じた。
「あなたが・・私の主人様ですか?」
そう誰かの声が聞こえた。
私は目を開けるとそこには金髪の左目が青で右目が赤の女性が立っていた。
「あなたは?」
私はそう女の人に聞いた。
「私はプロトタイプコード000。アバターネームはありません」
そう女の人は私に言った。
「あの、名前ないなら何て読んだらいいんですか?」
私はそう女の人に聞いた。
「ご自由に呼んで下さい」
プロトタイプさんはそう言って壁に背中を預けて目を閉じた。
私は下に下りて料理を作ることにした。
ーーーキッチンーーー
私は寸胴鍋に水を入れて電子コンロに火をつけてパスタの麺を入れてプロトタイプさんの分を作って部屋に向かった。
ーーーうづきの部屋ーーー
私は部屋を開けてプロトタイプさんの前にミニテーブルを置いて二人でナポリタンを置いた。
「何ですか?これ?」
プロトタイプさんはそう私に聞いてきた。
「ナポリタンです。お腹すいてないかと思いまして」
私はそうプロトタイプさんに聞いた。
「そうですか、食べていいんですか?」
プロトタイプさんはそう私に聞いた。
「はい!」
私はそうプロトタイプさんに言った。
「では、いただきます」
プロトタイプさんはそう言って片手にフォークを持ちそれを食べ始めた。
「どうですか?」
私はプロトタイプさんに聞いた。
「美味しいです」
プロトタイプさんはそう笑顔で言った。
「よかったです」
私はそうプロトタイプさんに笑顔で言った。
「あの、貴女に頼みがあります」
プロトタイプさんはナポリタンを食べ終えて私に言った。
「頼み?」
私はそうプロトタイプさんに聞いた。
「あなたには魔法少女の力を使う素質があります!ですから欲望の獣と戦ってほしいんです!」
そうプロトタイプさんは私に言った。
「私にしかできないんですか?」
私はそうプロトタイプさんに聞いた。
「はい、あなたは世界を救いたくありませんか?」
プロトタイプさんはそう私に聞いた。
「世界を救う?」
私は外を見た。
世界は皆が優しいとは限らない。
恨む人も居れば誰かの幸せを願う人も居る。
どちらを選ぶかはその人次第だけと私は誰かの笑顔と幸せを選びたい。
「わかりました!戦います!」
私はそうプロトタイプさんに言った。
「なら、私に名前を与えて下さい。その名前が与えられた時私は貴女の臣下になります」
プロトタイプさんはそう私に言った。
「なら、名前は・・・リリィレイさん」
私はそうプロトタイプさんに名前を与えた。
意味はユリの花のように綺麗でプロトタイプ0のレイを取って付けた名前だ。
「リリィレイですか。いい名前ですね」
リリィレイさんはそう私に笑顔で言った。
「これからよろしくお願いしますリリィレイさん」
私はそうリリィレイさんに笑顔で言った。
「はい!」
リリィレイさんはそう言って膝を床につけて頷いた。
ーーー?ーーー
闇の中1人の男性が片手にアサルトウィッチのカードを持ち怒っていた。
「くそ、雑魚カードしかないのかよ!もっと強いカードがほしいぜ!」
男はそう言って悔しがっていた。
「そんなに強い力がほしいか?」
後ろから紅のギラファクワガタの頭にボディは蜂のようにスマートな体の怪物が男性に聞いた。
「ああ、最強の力がほしい!全ての力を凌駕する力が!」
そう男性は言った。
「なら、その欲望を俺が買うとしよう!」
男はそう言って1枚の真っ黒なカードを男の頭に差し込んだ。
その瞬間何も描かれていなかったカードがミヤマクワガタの鎧を着た女性が出現した。
「スタッグアサルト!誕生」
そう言ってスタッグアサルトは空を飛び街に向かった。
ーーー環家ーーー
うづきはリリィレイと一緒にテレビを見ていた。
「何か面白いのやってますか?」
私はそうリリィレイさんに聞いた。
「いえ、特には」
そうリリィレイさんはテレビを熱心に見ていた。
『先ほど入ったニュースです!秋葉原で謎の女性が片手に二本の剣を持ちアサルトウィッチのカードを持つプレーヤーに斬りかかる事件が起きているようです!他の方々はあまり外に出歩かないでください!』
そうアナウンサーさんは言った。
「現れたみたいですね」
リリィレイさんはそう言って立ち上がり外に出ようとした。
「どこに行こうとしてるんですか?」
私はそうリリィレイさんに聞いた。
「奴等が現れたみたいです!」
そうリリィレイさんは片手を拳にして言った。
「奴等ってまさか!」
私はリリィレイさんが話した欲望の獣を思い出した。
「奴等を倒さないと世界は滅びます!」
そうリリィレイさんは言って外に出ようとした。
「待ってください!私もいきます!」
私はそうリリィレイさんに言った。
「危険です!あなたが付いてきても」
「私は大丈夫です!私は誰かの希望を守る魔法少女ですから!」
私はそうリリィレイさんに言った。
「わかりました!」
ーーー秋葉原ーーー
私はリリィレイさんに抱き抱えられて秋葉原に到着した。
「どこに居るんでしょうか?」
私はそうリリィレイさんに言った。
「すぐ側に来てるみたいです!」
リリィレイさんはそう言って構えた。
その言葉は的中してゆっくりと甲虫の鎧を着た女性が歩いてきた。
「究極レアのカードを持ってるのはあなただね?」
そう女性は両手にノコギリの様な剣を持ち私に聞いた。
「あなたは何者ですか?」
リリィレイさんはそう女性に聞いた。
「私はスタッグアサルト!全てを切り裂く魔法少女よ!」
そう言って女性はリリィレイさんに攻撃を仕掛けた。
リリィレイさんは片手で剣を防ぎもう片手でスタッグアサルトのボディにパンチを打ち込んだ。
「っくふふふふふふ!あんたの力はそんな物なの?」
そうスタッグアサルトはリリィレイさんに言った。
「なるほど、貴方は多少強いようですね」
そうリリィレイさんは構えを解除して私を見た。
「リリィレイさん!私も戦います!」
私はそうリリィレイさんに大声で言った。
「なっ!?まさか魔法少女に変身する気か?」
そうスタッグアサルトは私を見た。
「いきます!アサルトウィッチ!リライズフュージョン!」
私はリリィレイさんの体を合わせてリリィレイさんの体は光になり私と一つになった。
水色のジャケットに両手にグローブを装備し背中にブースターが装備していた。
「いきます!」
私はそう言って両足に力を込めて走り出して回し蹴りをスタッグアサルトのボディに打ち込んだ。
「ガハッ!」
スタッグアサルトの体に強力な一撃を打ち込んだ。
「まだまだ!」
私は両手を拳にして連続でパンチを打ち込んだ。
「このまま終わらせる!スキル発動!クワンタムバスターレイ!」
魔法で圧縮した光がスタッグアサルトのボディを貫きスタッグアサルトはカードになった。
「何だろう?これ?」
私はそう言ってスタッグアサルトのカードを見た。
そこには[剣]という属性が書かれたカードが出てきた。
「フュージョン解除!」
私はそう言ってリリィレイさんとの融合を解除した。
「とりあえず、早く帰りましょうか」
そう言ってリリィレイさんは辺りを見ながら言った。
私はリリィレイさんに抱き抱えられて家に帰る事にした。
ーーー?ーーー
「やぁ、実験は良好かね?光島くん?」
そう年配の男性が1人の女性に聞いた。
「はい。どうやらグリーゾの誕生とプロトタイプコード000が起動しました。」
そう女性はサンドイッチを食べながら言った。
「なら、明日にでも彼女にでも我が社に招待してくれ」
そう言って男性は何かを持っていた。
ーーー環家ーーー
うづきはリリィレイと話をしてリリィレイと一緒に布団に入り眠りに入った。
二人はまるで姉妹のようであった。
だがまだ彼女達の物語は序章に過ぎなかった。
多くの魔法少女とそれを統べるグリーゾと呼ばれる敵に苦戦するであろう。
続く
次回をお楽しみに