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番外編 4

番外編1よりもちょっとだけ前のお話です

 ある日のこと、部屋でお茶をしているとカインが大量の服を持って部屋に入ってきた。


「アリス様、ルーク様からです」


「え?また?」


 先週もたくさんの服を贈られ、まだ袖を通してないものも多い。


「ルークは今忙しいみたいなのに……。こんなに服ばかり選んでないでゆっくり休んでほしいわ」


「アリス様が足りな……執務が忙しくなりすぎると贈り物が多くなりますね。陛下も同じなので遺伝です。諦めてください」


「でも置き場もないし、なによりもったいないわ」


「んー、ではしばらく受け取り拒否する旨お伝えしますか?」


「そうね。今夜にでも私から伝えてみるわ」


「こちらはいかがなさいますか?」


「購入してしまったものは仕方ないわね。順番に着るから片付けてください」


 そう伝えると専属侍女のマリンが衣装を受け取り分類をしてキレイに片付けた。片付けた衣装部屋を見るとまるでショップのようだ。

 私がシンプルな服を好むこともあり、その系統が多いが、たまにぶりぶりのフリフリのフリルいっぱいのがあり困惑する。これを着てほしいのだろうか……。


 髪の色が変わってから、黒い服が似合わなくなってしまい、マリンは明るい色味のものを勧めてくるようになったのだが、ピンクはね……。現代日本人の感覚でピンクのふりふりは無理。もう二十歳ですよ。無理です。ああいうのはお子さまが着るからかわいいと思っている。


 夜になり、今日のルークはいつもよりも若干早めに執務を終えて戻ってきた。


「ルーク、お帰りなさい。お疲れさまでした」


「アリス、ただいま帰りました」


 たとえ、隣の部屋で執務をしていたとしても挨拶はすることにしている。挨拶をしてキスをして、上着をハンガーに掛けるまでが一連のルーティン。


 今日は夕食はともに済ませてあるので、湯あみの前に伝えることにした。


「ルーク、今日はたくさんの服をありがとうございました。先週もたくさんもらったばかりなのに……」


「アリスにはたくさん贈りたくなるのです」


「こんなにたくさんいただいても、着ることができないものもありますので、しばらくは贈り物はお休みしてください」


「えーっと、イヤです」


「即答?」


 ルークは真顔で答えた。


「私が今我慢できているのはアリスにこういったものを贈る楽しみ、アリスのことを考える時間があるからなんです」


「それなら、数を減らすとか……」


「んー、ちょっと待っててください」


 ルークはマリンを呼び何かを話した。


「アリス様、こちらにおいでください」


 マリンに呼ばれ付いていくと衣装部屋である衣装を見せられた。


「こちらを着ていただけたらしばらく我慢なさるそうですよ」


 マリンがニッコリ笑いながら見せた服は、あのフリフリフリル服だった。


「え……、あ……、こ、これ?」


「えぇ。きっとお似合いですよ」


 マリンは有無を言わさず今来ているワンピースを脱がし、私はフリフリフリル服を着させられた。ついでに髪をアップにして、なんならお化粧まで。


「これ、ルークの趣味なんだろうか……」


 少し……いや、かなり恥ずかしく思いながら衣装部屋を出ると、ルークも正装していた。


「アリスかわいい……。私はこの衣装のアリスと踊ってみたかったのです。今からいかがですか?」


「踊ってもらえるのですか?」


「ではホールに行きましょう」


 ルークにエスコートされながら、ホールに行くと、夜会のように侍女や他の使用人たちが着飾って待っていた。


「え?」


 ルークを見上げるとルークはにっこり笑って


「たまにはみんなで楽しむのもいいかと。王家の夜会の予行練習にもなりますよ」


 軽食や飲み物まで用意してあり、夜会のミニバージョンみたいな感じだ。マリンを見るといつの間にか衣装チェンジしていた。


「では始めましょう!」


 ルークの声を合図に音楽がなり始めた。


「アリス、踊っていただけますか?」


「喜んで」


 ルークと躍りながら周りを見ると、みんな思い思いに踊ったり、話をしたりしている。


「いつの間に準備したんですか?」


「まあ、内緒ですが、昨日今日ではないのは確かですね」


 いつものようにルークのいい匂いと、優しい笑顔に包まれながら踊ることは私にとって楽しい!の一言につきる。


 2曲踊ったあと休憩していると、レイ様が来て声を掛けられた。


「姫様、踊っていただけますか?」


 ルークを見ると、何とも言えない顔をしつつ頷いた。


「喜んで」


 レイ様と踊るのは初めてかもしれない。ルークのダンスはとても優雅でステキなのだけど、レイ様のダンスは力強くてまた違った魅力がありステキだった。


「姫様、外出できるようになるまでもう少し待ってね」


「えっ?はい」


 なんのことだろう?


「まあ、もう少ししたら分かるよ」


「はい。じゃ、待ってます」


 レイと話すことはあまり機会がないけれど、こうやって話すとルークのことを大事にしていることがよく分かる。


「ルークのこと、好きか?」


「はい、大好きです」


「それが聞けてよかった」


 曲が終わり、お互いに笑顔で挨拶するとルークの元に戻った。


「アリス、そろそろ戻りましょう」


「え?もう……ですか?分かりました」


 そう答えると、ルークの専属執事のライトにみんなはまだ楽しむように伝えて、私を連れてさっさと歩きだした。


「ルーク……、どうしたのですか?」


 歩きながら聞いてみても返事がなくスタスタと歩いていく。なんとか一緒に歩き部屋まで戻ると、扉が閉まった途端、ルークは私の唇を食べるかのようにキスをしてきた。


 力が抜けて倒れそうになると、ルークが腰をホールドして動けないようにした。


「レイに大好きですって言葉を聞かせないでください」


「あ、あれはルークを好きかって聞かれたから」


「知ってます。それでもそういった言葉は私以外に聞かせたくない」


「はい……。ごめん…な…さい」


 答えてる間もキスはされ続け、うまく息ができない。


「すみません。嫉妬です。アリスの好きは全部私のものにしたい」


「ルーク、私が好きなのはあなたです。大好きなのも、愛してるのも全部あなたです」


 するとルークは珍しく驚いた顔をして


「ありがとう」


 と小さく答えた。


「ルーク、また踊ってくださいね」


 返事のかわりにキスをされた。

 どんなルークも大好きですよ。



ブックマークや評価★をありがとうございます。

とてもうれしく思ってます。

番外編ちまちま更新しますのでまたよろしくお願いします。



新連載『この婚約なかったことにしてくれませんか? ~なぜか王子に溺愛されてます~』を更新してます。

そちらの方もぜひ見てください。

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