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「レイの様子はどう?」
医務室の医務官に聞くと、外を指差しながら
「もうお帰りいただいて結構です」
と言われ、外を見ると剣の稽古に励んでいた。ルークがげんなりした顔をしているけれど、こういう表情はかなりレアで、この表情にさせるレイはすごいと思ってしまったのは内緒のこと。
「レイ、帰るぞ」
「おう、りょーかい!」
馬車は王家のを借りる予定がカインがすでに迎えに来ていた。
「やはり来ていたか」
「私はアリス様の専属執事ですからね。当然です」
「カイン、お迎えに来てくれてありがとう」
カインに笑顔でお礼を言うと、ルークが急に私を横抱きにした。
?
「馬車に乗りましょう」
ルークは「全く油断も隙も……」とか「100万年早い……」とかぶつぶつ呟いていた。
ほんとにどうしたの?ルーク……。
お屋敷に帰るとすぐに衣装の確認をし、それが終わるとダンスの練習が2日続いた。
この2日でスパルタカインにイヤというほどしごかれ、カインとひたすら踊った。
そのおかげで、披露するダンスはマスターできた。
結婚式前日、侍女による、ルークのための(!)エステが行われた。
全身ピカピカで髪はつやつやしく、体はもっちりすべすべになり、ダンスで疲れた体もリフレッシュできた。
いつも通り、お礼にヒールを掛けると、いつもよりすごい!と喜んでもらえた。先日のヒールの練習がよかったのかもしれない。
私は夕食後、ルークと紅茶を飲み膝の上でゆっくりと過ごしていた。
「いよいよ明日は結婚式ですね」
「ここまでくるのにいろいろありましたね。アリスが無事でさえいてくれたら私は何もいりません」
ルークは私の頭を引き寄せキスをした。
はじめは軽く唇を当てるだけだったのが、次第に長くなり、そして唇をこじ開けて舌が入ってきた。
「る……くっ……」
口腔内を縦横無尽に動くルークの舌に私も舌を絡ませた。そしてルークの口腔内に舌を入れるとルークと同じように歯列をなぞり舌に絡ませた。
ルークはゆっくりと唇を離すと
「今日はキスだけにするつもりだったのですが無理です。すべすべなアリスを堪能させてください」
そういうと、ニコッと笑った。
ルークのさせてくださいは許可を求めているわけでなく、これをしますよという宣言と一緒だ。つまり、返事も聞かずベッドまでだっこされ、キスと共に、あちこちまさぐられルークに溺れさせられる……。
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