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67 ルーク視点

 ルーク視点


 残酷な表現があります。ご注意下さい。



「おっと!」


 倒れようとしているアリスを受け止め横抱きにした。アリスの顔は血の気が引いていた。


「兄上、ベッドのある部屋をお貸しください」


「ルークの元の部屋がそのまま残してあるぞ」


「ありがとうございます。アリスが落ち着いたらまた後程伺います」


 カインが上半身裸の俺に上着を掛けてくれた。そのままの格好で兄上の執務室を失礼して、カインを連れて自分の部屋だった場所に向かう。


「ルーク様がご無事で帰られてホッとしました」


 カインに声を掛けられたが、アリスが無事でないなら意味がない。

 部屋につきベッドに寝かせると急いでアリスを鑑定した。思った以上に結果が悪い。HPもMPも底をつきかけている。寝ているアリスにそっとキスをした。


 次はMPの譲渡だ。自分の指先をアリスの心臓あたりに置いて魔力を流していく。500ほど流したところでやっと生気のなかった顔色が普通になってきた。


 俺は衣装部屋に行き、シャツを取りだして着、上着をカインに返した。


「アリスをしばらく見ていてくれ。何かあれば呼べ。兄上の執務室にいる」


「承知いたしました」


 俺は足早に兄上の執務室に向かった。




「ルーク大丈夫か?」


「大丈夫です。兄上、助けにきて頂きありがとうございました」


「して、早速だが一体何があった?」


「隣国の王女に呼び出されたのはご存じですよね。結婚の祝いの品を国の代表として直接渡したいと言われレイと共に部屋に行きました。

 部屋に入り、祝いの品を受け取った際に魔力を制御されたのを感じ品を手放そうとしたところ、王女の護衛に目を切りつけられ拘束されました。殺気などがなかったので操られていたのかもしれません。


 レイは私を盾に脅され、別の護衛に倒されたようでした。そのあとは気絶させられ、気がついたらあの部屋でした。

 あの王女から求婚され、断る度に別のやつから切りつけられ、抵抗しては切りつけられ、どれくらいの時間でしょうか、それが気を失うまで続きました。

 そして目が覚めると、また気を失うまで切りつけられるのを何度か繰り返してました。何度やったかは朦朧としていたので覚えていません。

 私の魔法が発動しなかったので、制御していたのでしょう。

 そして気がついたらアリスと兄上がいたのです」


「そうか。あの王女はそこまで狂っていたとは。ルークすまなかった。あとは私が引き継ぐ。ルークはアリスについていなさい」


「はい。ありがとうございます」


 俺は執務室を出るなり急いでアリスの元に戻った。

 カインに何か軽い食事とレイの様子を見てくるように頼むと、俺はアリスのそばに行きキスをする。


「アリスに助けられてばかりだ」


 アリスの髪をすき、合間にキスをする。だがアリスは目覚めない。


「アリス……」


 カインに食事を持ってきてもらったものの食欲はなく、結局紅茶だけを飲んだ。

 レイの方はまだ治療中で眠っていたらしい。

 日が暮れたのでカインには屋敷に戻って待機するように伝え、自分はアリスを抱いて寝ることにした。アリスのこと以外、何も考えたくない。

 アリスの暖かい体温がいくらかなぐさめになった。




誤字の報告ありがとうございます。



ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。

とてもうれしく思ってます(^^)

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