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 ルークが王城から帰らず、1日が経った。仕事が長引いて帰れないと伝言があったものの、私は嫌な予感がずっとしていた。

 1日いないくらいでとは思うものの、食欲は落ち、気力そのものが落ちてしまったようだ。


「アリス様大丈夫ですか?」


 気がつくとカインとマリンが私を覗き込んでいた。


「ルークはいつ頃戻りますか?」


 カインはすぐにライトに確認しにいってくれた。

 こんなこと初めてだ。ルークがいないことがこんなにも不安になるなんて。


「アリス様、しばらくしたら状況も分かると思いますので……」


 マリンがひたすら背中を優しく撫でてくれる。その優しさに答えたいが答えられずにいた。



 * * *


 カイン視点


 私はアリス様の気落ちした様子を見て、あわてて兄のライトのところに向かった。


「兄上、ルーク様は見つかりましたか?」


「いや、まだだ」


「このまま数日見つからなければアリス様も命が危ないです」


 今の現状として、王城には隣国から結婚式に参列するためにと早めに来ていた招待客が、従者など合わせて30人ぐらいがいた。

 そしてルーク様はある隣国の王女に会ったあとから行方不明だが、王女は「知らない」と報告している。

 ちなみにレイは精神魔法を使われ、前後の記憶が曖昧なまま王城の一室で倒れていた。レイほどの無双を倒した者が相手にはいるということだ。


「今朝の報告ではクリス様の結界の中で転移などの大きな魔法は勝手に使えないことから、何か物理的な攻撃をしてから外に連れ出し転移させたのではないかと……」


「どちらにせよ、王女に誘拐されたのが濃厚でしょうね」


「クリス様方もそのように認識している」


「兄上、問題はアリス様のHPです。このままだと数日でゼロになります」


「誘拐されたときはお前がやってたんだろ?なんとかしろ」


「私がですか?そう言われましても状況が違いますし」


「お前が専属執事だろ。アリス様がHP切れで亡くなるなんてことになったら、ルーク様は一族すべて葬り去るぞ」


 ぶるりと震える。だが、おそらくそうなる。


「アリス様にも現状を話してきます」



 * * *


 アリス視点


「……というわけで、ルーク様は連れ去られたのではと推察されてます。場所もわからず行方不明です」


 そんな……。

 ルークが行方不明だなんて。

 妙な胸騒ぎはこれだったのか……。


「そういえば、私たちが誘拐されたときに奪われた指輪はどうなりましたか?」


「指輪?」


「はい、あの指輪はルークと繋がっていて私が魔力を込めたらルークの元に行けるのです」


「!!!」


 カインはこれ以上ないくらいに目を見開き確認しますと走り出ていった。

 すぐにライトから王城にいる宰相に伝えられた。騎士団の調べによるとニットラーチェと一緒にいた魔導師が身につけていたことが分かり、国王のクリスを経由してアリスの元に戻ってきた。


「アリス様、すぐに使用したい気持ちは分かりますが、クリス様からルーク様を取り戻す算段をつけてからと伝言がございます。今から王城に行っていただけますか?」


 ライトから伝えられアリスはすぐに準備をし、カインと共に馬車に飛び乗った。



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