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「アリス、遅くなってすみません」


 いつもの夕食時間を1時間ほど過ぎてルークが部屋にきた。


「先に食べていてくれてよかったのに……」


「ルークとゆっくり食べるのが楽しみなので待っていただけです。気になさらないでください」


 笑顔で返すとルークは破顔した。


「アリスがかわいすぎる……」


「ふふっ。氷の王子の顔は私の前だとお休みばかりですね」


 いつもにこやかで、ルークの呼び名が発揮してるのを私はほとんど見たことがない。


「それはアリスがいるからですよ。アリスがかわいいのに、氷のように冷たくなるわけがないです」


 私をぎゅっと抱き締めながらもう一度


「かわいすぎる」


 とルークは囁いた。


「ありがとうございます……?」


「では夕食を頂きましょう」


 あ……。

 このやり取りの間、侍女3人は夕食をセッティングしていたのだった。

 急に恥ずかしくて顔をルークの胸に押し付けると、ルークは理由を理解して体をくるっと反転し


「これで侍女からは見えませんよ」


 と頭にちゅっとキスをした。私が恥ずかしいとわかっててキスをするルークにもう!と思いつつもうれしくなるのは、惚れた弱味かもしれない。


 カインは魔石の話をすでにしていてくれたようで、夕食を食べながらその話になった。


「なぜアリスだけ魔石の干渉を受けずに魔力が使えたのかは解明はできないですが、能力がチートだからではないでしょうか?」


「そういえばチートでしたね」


「この国にチートという能力が、今のところ記録になくて想像の域をでないのです」


 うーん……と思案しているとルークにイチゴを口に入れられた。


「考えても分からないことは分かるときまで保留にしておきましょう。私が渡したネックレスは外さないでくださいね」


「はい、わかりました」


「この話は終わりがないのでここまでにしましょう。残りのデザートを頂きましょうね」


 そういうと、イチゴを咥え指を口元でとんとんとした。意味がわかった私は恥ずかしいのとうれしいのとで戸惑いつつも口づけをしイチゴを口に入れた。

 ルークからの甘々度がどこまでいくのか分からない。

 ルークが私だけにしてくれるというだけで心が熱くなる。ルークにしがみつくと「どうしましたか?」といいつつぎゅっとしてくれる。

 大好きなルークさえいてくれたら、他は何もいらない。そう思っていた。


 次の日、ルークは王城に行ったまま帰ってこなかった。



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