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朝になり出発の準備が終わると屋敷の方からお見送りをうけた。
「ルーク様、またいらしてくださいね」
「みんな、急にも関わらずありがとう」
「道中お気をつけて」
「ありがとうございました」
挨拶が終わると、ルークはひらりと馬に乗り、私は台を使ってルークの前に座った。
ここから次の町まで4時間。休憩を挟むと到着は昼をゆうに過ぎる。今日の予定はさらに次の町まで行くことだ。ルークの腕にぎゅっとしがみついたところでゆっくりと馬は走り出した。
道中ルークの魔法であまり揺れを感じず、初めて乗ったときよりは怖くはなかった。
「アリス、愛してます」
そして、たまにルークが耳元で囁くように言うからうれしいのと恥ずかしいのとで怖さが吹き飛んだ。
そんなこんなで王都までの3日の行程があっという間に過ぎ去った。
「結局全部馬での移動になってしまいましたね」
「途中から馬車を用意したのに、乗らないって言ったのは誰でしたか?」
クスクス笑いながらルークに言われた。
「結婚式も間近ですからね。
ルークのおかげでとても楽しかったです。ありがとうごさいました」
馬に慣れてきてからは思っていたよりも楽しく、景色も堪能できた。途中寄った街でルークたちに女の子が群がりそうになったけれども、さすが氷の王子。女の子たちはある一定の距離からは近寄れないようだったことには驚いた。
先に戻ったライトから連絡がいったようで、屋敷に戻ると屋敷のみんなが待っていてくれた。
「おかえりなさいませ」
「ただいま帰りました」
やっと、帰ってこられた。屋敷にいなかったのは10日ぐらいだけどすごく長く感じた。
「アリス様、おかえりなさいませ。早速ですが明日からかなりお忙しくなりますからね。ゆっくりお休みいただけるのは今日だけですよ」
部屋に戻ったと同時にマリンに声を掛けられた。カインと苦笑いになったけれども、何もなかったかのように普通に接してくれたのがありがたかった。
とはいってもルークたちはすでに執務をしだしたのだからすごいなあと思う。
今この部屋にカインとマリンしかいないので誘ってみた。
「お茶にでもしませんか?」
「ではちょうどスコーンがありますのでご用意しますね」
「3人分ね」
3人でお茶をすることはあまりないけれど、マナーレッスンの名目ですることになった。
甘くない紅茶とはちみつをたっぷり添えたスコーンを用意してもらい席につくと、紅茶を一口飲み姿勢を正した。
「マリン、心配かけてすみませんでした。
それとカイン、たくさん助けてもらってありがとうごさいました」
2人が目をパチパチしているなか
「親しき仲にも礼儀ありという言葉が私がいたところにあって、どんなに親しくても礼を軽んじてはいけないと思ってます」
言い終わってニッコリ笑うと
「ご無事でなによりでした」
「私のことも助けて頂きありがとうごさいました」
ちゃんと答えてくれたことにお互いに思わず笑ってしまった。
久しぶりのお屋敷のスコーンを堪能しつつ、3人での会話を楽しんだ。
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