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更新遅くなりました。

54話まで話が戻ります。

 外で轟音が聞こえだした。


「始まったようです。私から離れないでください」


 カインからそう言われぶるりと震える。


「アリス様、この上着に身体強化と同じ保護魔法を掛けられますか?」


「やってみます」


 毛布代わりにしていたカインの上着に保護魔法を掛けると、カインはその上着を私に着させた。


「これでアリス様も少しは安心かと」


 カインは私を安心させるようにニコッと笑った。

 こんなときでも私のことを考えてくれていることがありがたかった。カインだからこそルークは付けてくれたのかもしれない。


 部屋の外からの爆発音が近づき、爆音として耳に直接響くようになった。

 カインが守るようにわたしを抱き締めてくれているが次第に耳が全く使い物にならなくなった。

 どれくらい振動と爆音を聞いたままだっただろう。突然室内が爆発し、カインと共に壁に打ち付けられ倒れた。


 何が起こったのか分からないが、体が痛いとかはない。ただ、耳が聞こえず呆然としていた。


 気がついたらルークが目の前にいた。この数日ずっと会いたいと恋い焦がれたルークが目の前に。


「ルーク……」


 ルークに抱き締められ「よくがんばったね」と言われ、私はたまらなくなり声をあげて子どもみたいに泣いた。


 これから王家の持つ宮に移動するらしく、馬に乗ることを告げられたが、乗ったことがないのもあり馬の大きさを見て怖くなった。


 カインが乗せてくれたが怖いものは怖い。

 ルークが抱き込んでくれてるが怖いものは怖い。

 結局休憩のたびに安堵し、乗るたびに息を飲むような気分になっていた。


 アルメリア宮までは馬で3時間ほどかかり、途中2度ほど休憩を挟み日のあるうちに宮に着くことができた。



「ランディ、突然すまない。2、3日泊めてくれ」


「お帰りなさいませ、ルーク様。お久しゅうございますね」


「そうだな。ここへ来るのも久しいな。こちらは妻のアリスだ。よろしく頼む」


「まあ、お可愛らしい。私はここで侍女をしてますランディです。よろしくお願いします」


 ランディさんは50歳台ぐらいのふくよかな女性で優しげに笑う顔が印象的だった。


「アリスにございます。お世話になります」


 馬からおりてしばらく経っていたため、いくらか落ち着いた私は丁寧に挨拶をした。



「ルーク様、お部屋のご用意が出来ております。お食事は後程お持ちしますので、旅の疲れを落としてきてくださいませ」


 奥の部屋から出てきたライトが捲った袖を戻しながらきて言った。


「ライトありがとう。皆も今日はゆっくり休んでくれ」


 ライトも来ていたのを見て、私はたくさんの人に助けてもらったんだと申し訳なく思いつつ、みんなの暖かい気持ちが心に染み入った。


 私とルーク以外は食堂で食事をすることを確認してから解散した。



ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。

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