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52 クリス・ローズ国王視点

 クリス・ローズ国王視点



 アリスの誘拐と辺境伯の動きがあったこととの報告はほぼ同時であった。


 ルークの使いによると、結界に小さな穴を開けられ、そこから転移魔法を使って誘拐されたと。

 カインが一緒に行けただけでも良かったと思うがルークを思うと口には出せない。


 辺境伯は用心深いのか今までなかなか尻尾を掴ませなかった。辺境という場所を隠れ蓑にしていたのもあるが、人の心を操るものがいて記憶を改ざんしてしまい証言が取れなかったのが最大な理由だ。


 今回の誘拐劇は十中八九辺境伯がかんでると睨んでいる。そのため、辺境伯の動きに注視しろと改めてユーリ(ライトとカインの父)に伝えた。



 3日後、ルークが辺境伯の悪事の証拠を見つけてきた。なんの変哲もない一領民の家の中にあったらしい。領民も何が入っているかはしらなかったようだ。アルボーン男爵の使いが定期的に整理に来ていたらしい。


 それにしてもアルボーン男爵はよくこれだけの証拠を集めたものだ。丁寧な書類を見ると根はまじめであったのだろう。



 さて、ニットラーチェはどう出てくるかな。影の報告だと私兵は10人程度しか連れてきていないらしい。

 だが、何か悪い予感がするな。

 王都の民を今日と明日で避難させつつ、万全にして迎え撃つ準備をしよう。


「リアン、ニットラーチェがどう動いてもいいよう、配置につかせてくれ。明日には決着をつけたい」


「承知しました」




 避難が完了した次の日、まだ月が残っている明け方、王都の東の方に轟音と共に複数の魔物が現れた。


「いよいよ来たな。おもいきりやってしまえ」


 捕らえた魔物を使ってきたか。

 影の報告では辺境伯の配下に入ったものがひそかに集結したらしいが、そちらは影に任せて、配置についていた近衛騎士団の第一部隊が魔物を討伐する。


 すると時間差で西の方でも轟音と共に複数の魔物が現れた。こちらは第三部隊が討伐する。


 しばらくすると王城上空にも魔物が現れたが王城の結界は壊れることなく魔物を弾き飛ばした。


「クリス様の結界は魔物が千来ても弾き飛ばすでしょうね」


 リアンが苦笑しながら言う。


「まあ、結界は得意だからね。それよりも報告はあるか?」


「第一、第三部隊共にもうすぐ終わるかと。あと、影と第四部隊とで辺境伯の配下はすでに捕らえました」


「辺境伯は?」


「こちらに向かったようですが……、そろそろかな?」


 しばらくすると王城の裏門付近で爆発音が聞こえだした。


「もうすぐルークの結婚式だし、壊されると厄介だからね」


 そう言いながら結界をさらに重ね付けしていった。


「さて、そろそろ仕上げをしないと、子どもたちが起きてしまう。リアン、行こうか」




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