51 ルーク視点
少し短めです。
ルーク視点
アリスたちが拐われて3日目。アルボーン男爵の旧領地内で、男爵の隠し金庫と思わしきものが発見された。といっても領民の家の中にあり、一見金庫とは分からないとても質素で粗末なものだった。
「中身をすべて運び出してきました」
「ライト、よく見つけてくれた!ありがとう」
レイや従者みんなで手分けしてすべての書類を確認する。
どれもこれもある起点となる場所があり、そしてある侯爵を指し示す書類であった。
ニットラーチェ辺境伯
辺境伯は国と国との国境を守るために独自の兵力や有事の際の指揮権など持っている。
今まで用心深いのか証拠を掴ませなかったが、これだけあれば証拠として足る。
「レイ、この起点の場所は確か没落しそうになり、辺境伯に援助されてたな」
「そうだ」
「ここと辺境伯領、どちらにいると思う?」
「お前はどう思う?」
「俺はこっちの起点の方だと思う」
「俺もそう思う。自分の領地が戦いの場所になるのは避けるよな」
「兄上に報告して、すぐに出発しよう」
急いで準備をして登城し、兄上の元に行くとすでに人払いがされていた。
「兄上、遅くなりました」
「わかったか?」
「ニットラーチェ辺境伯の証拠が出てきました。こちらは兄上にお任せします。アルボーン男爵は娘の育て方はともかく本当はまじめな方だったようですよ」
「そうか。書類はこちらでも確認する。ルークは今からどうするんだ?」
「私はアリスを助けにニットラーチェが起点場所として使っていたラウニー男爵の邸に行ってきます」
「そうか。先ほどニットラーチェに動きがあった。どうやら王都に向かっているらしい。
アリスの救出の方は魔道師を1人付けてやる。この国で一番の魔導師だ。役に立つだろう。ルーク、十分気を付けなさい」
「はい。兄上も」
挨拶をするとレイや影のものたちを連れて起点となっている場所である、ラウニー男爵邸に向かったが馬を途中で代えつつ走ったとしても早馬で2日はかかる。
どうか間に合ってくれ!!!
次回は国王視点の予定です。
ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。
とてもうれしく思ってます(^^)
励みになりますのでまだの方はよろしくお願いします。




