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48 カイン視点

 カイン視点


 どれくらい経っただろうか。

 2度目の食事が運ばれてきた。また毒味をし、アリス様に渡す。この食事にも特におかしなものは入ってなかった。



「アリス様、1つお願いがあります」


「なんでしょう?」


「寝る前と起きたあとにステータスを測って私に結果を教えて下さいませんか?」


「……?は…い。わかりました。では今から測りますね。ステータス!」



 _________________________

 ステータス


 工藤有栖 レベル39


 HP 3208/4253

 MP 5206/5239


 属性:全

 スキル:チート能力 レベル∞

 _________________________


「HPが 3208/4253、MPが 5206/5239です」


「ありがとうございます」



 今日はこんなことがあったとはいえ、MAXからマイナス1000か。朝の時点でどれぐらいあったのだろうか。

 アリス様は召喚者だからか、HPは自力ではほとんど増えず、私たち、魔力をもったものからのキスなどからしか増えないとアレク様から聞いている。おそらく加護を分け与える的なことだと私は思っている。

 明日助け出されればいいが、ダメだった場合が怖い。どうするべきか。

 この件についてアリス様には知らされてない。しかし、HP切れで死ぬなんてことはあってはならない。



 この部屋は薄暗いのもあって時間がよくわからない。

 だが、ふだんの寝る時間をとっくに過ぎているがアリス様は不安からか眠れないようだった。


「カイン、嫌でなければひっついてもいいですか?」


「はい、大丈夫ですよ」


 アリス様は私の隣に座り、私の上着を私とアリス様の膝にがばっと掛けて、壁に背を当てやっと安心したように寝た。


 私はアリス様が寝てからもHPのことを考えていた。どうしたらいいか答えがでない。しかし、死んでしまうよりは助かる方向で動いた方が……。堂々巡りに陥っていた。


 そしてついに行動に出てしまった。

 寝ているアリス様の顎を持ち上げ、アリス様のやわらかい唇に私の唇を当てた。どれくらい当てていればいいのだろう。これで数値が上がればいいが……。


「ん……」


 無意識にアリス様の口が開いたので思わず舌を入れ口腔内を堪能し、最後は唾液を舐めとった。元の横並びに座り、アリス様の体をそっと私に寄りかからせた。



 ん!?


 しまったーーー!!


 間違ったーーー!!


 これ、ルーク様に絶対殺されるやつだ!


 その前にアリス様に対してなんてことを!!






 私はなかなか眠れず、次の日、アリス様から「どうしたの?」と心配された。




ブックマークや評価ポイント★ありがとうございます。

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